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ドローン(画像:写真AC)
ドローンの一般的なイメージは何だろうか。恐らくほとんどの人が「空撮」を思い浮かべるに違いない。現在、風光明媚(めいび)な景色や大自然を映し出すのに、ドローンは欠かせないものとなっている。【参考資料】国交省航空局「ドローンの飛行の安全性確保のための新たな制度について」 ただ、私たちが日常生活でドローンと接する機会はほぼない。認知度が高まっているとはいえ、まだまだ事業者や趣味人のものだろう。一方、非常に狭い世界だけで活況なのかといえばそうでもない。教育現場ではドローン操縦士の資格を取得できる高校・大学が既に存在しているのだ。 例えば、茨城県西部の県北地域に位置する大子清流高校(大子町)では2018年度、生徒を対象にドローン講座を実施。2021年11月には、国土交通省認定のドローン操縦士資格「回転翼3級」に受験生全員が合格している。 専門学科、特に農業や林業を有する高校でドローン講座や取得を目指す動きが見られる。地方は地域社会の少子高齢化に直面しているため、ドローンを使った作物管理が現実的であり、専門家育成が急務になっている。 インターネットで検索すれば、多種多様な「ドローン学校」がヒットする。ドローン操縦士の講座を開く大学も出始めており、国土交通省が掲載する無人航空機の操縦者に対する講習などの実施団体には、五つの四年制大学が含まれている。 そのひとつである秀明大学(千葉県八千代市)では、・無人航空機操縦士・農薬散布ドローンオペレーターの技術認定証が取得できる。教育の場で取得できる資格はビジネスに将来性があったり、就職試験で武器になったりするものが多いが、そこにドローン操縦士の資格が加わったことになる。
千葉県八千代市にある秀明大学(画像:写真AC)
次世代モビリティとしてのドローン活用に向けて、法整備も段階的に行われている。2015年12月以降から、・空港周辺・高さ150m以上の上空・人家の密集地域の上空でドローンを飛行させる場合は、国土交通省へ申請が義務づけられている。そのため、複数の民間団体による独自免許や認定証を取得すれば万事オーケーという時代は、間もなく終わりを告げる。 国土交通省航空局は2020年12月、「ドローンの飛行の安全性確保のための新たな制度について」を発表。有人地での目視外飛行(レベル4)実現に向けて、ライセンスの取り扱いを厳格化し、2022年度内には普通自動車免許と同様に国家資格となる予定だ。 想定されるレベル4「有人地帯(第三者上空)における補助者なし目視外飛行」は、一等資格が必須となる。新制度では「機体認証、操縦ライセンス(一等資格)の取得かつ飛行毎の許可・承認(運航管理体制等の確認)」(国土交通省の資料より抜粋)という、厳格なルールにのっとり操縦しなければならない。 また国土交通省は、民間機関についても・国の指定を受けた民間試験機関による試験事務の実施を可能とする・国の登録を受けた民間講習機関が実施する講習を修了した場合は、試験の一部又は全部を免除と定める方向だ。
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