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「報道部畑中デスクの独り言」(第283回)ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、空飛ぶクルマの可能性について―【写真全4枚】空飛ぶクルマの可能性
富士スピードウェイで2021年10月に行われたホバーバイクのデモンストレーション(A.L.I.Technologies提供)
小欄ではこれまで、自動車の分野についてさまざまな角度からお伝えして来ました。カーボンニュートラル、電動化、半導体不足と、まさにその動きは風雲急を告げている、そんな印象がありますが、今回は少し夢のある話です。A.L.I.Technologies(エーエルアイテクノロジーズ/以下:A.L.I)という会社で展開している車両「XTURISMO Limited Edition」。A.L.Iでは「ホバーバイク」という呼び方をしていますが、広い意味で「空飛ぶクルマ」の一種。長さ3.7m、幅2.4m、高さ1.5m、6畳一間に入るぐらいの大きさで、最高時速100kmを出します。昨年(2021年)10月、富士スピードウェイでデモンストレーションが行われました。A.L.I提供の画像では、巨大なドローンを有人飛行にしたような車両。中央のシートにライダーが座ります。車両が数m浮き上がり、安定した飛行を見せていました。A.L.Iは2016年、わずか6年前に設立されたベンチャー企業ですが、ホバーバイクが2019年の東京モーターショーにも出展されていました。大手自動車メーカー中心の祭典からの様変わりを感じたわけですが、その後、この企業がどう飛躍しているのか……片野大輔社長に話を聞きました。「2019年のころに比べると、浮上の安定性、制御の安定性も増して、ようやくお客様の手元に届けても問題ないところまでレベルが上がって来た」オンラインの取材に応じた片野社長は飄々とした表情ながら、確かな手ごたえを感じているようでした。今年(2022年)販売を始めたエンジンとバッテリー両方を使ったモデルは、プロペラが回転して浮かび上がる一方、自走できる車輪があり、手で押して前進や車庫入れも可能。ハンドル操作の運転もできる他、コントローラーで遠隔操作もできるということです。片野社長は「車両の延長のような形で、他のものとは違う」と、独自性もアピール。「2025年には電動化、より小型化したモデルを考えている」と、青写真も示しています。ちなみに、現在はサーキットといった私有地が中心のフィールドでの展開で、お値段は1台税込み7770万円だそうです。
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