「自分らしく生きる」とは自分の活かし方を掴み、使いこなすことです。ストレスが少なく、納得した生き方ができます。
キャリアや働き方など、いまの時代は数多くの選択肢があります。ゆえに、自分にあった判断基準を持てない限り、常に「これで良かったのか」と不安がつきまとうのです。自分らしく生きる判断軸を持つには、「人生で大切にしたいこと」や「自分の持ち味」を知るのが大切。世間体や他人の意見に振り回されなくなります。
自分らしく生きるメリットは大きく分けて5つあります。
同じ物事を取り組む際、「やらされている」感がある場合とそうでない場合とでは、ストレスの度合いが違います。同じ困難でも「やりたいこと」であれば、ポジティブに受け止め、困難を乗り越えることに集中できます。一方、「やらされていること」では、不平・不満しかでてきません。
自分の根幹と向き合えば「どんなことを幸せと感じるか」がはっきりし、人生の目的が明確になります。周りと同じでなくてもいい。自分の判断や選択にブレがなくなります。
「まだ本気を出していないだけ」「環境やお金が手に入れば……」と周りや環境のせいにしている人は、いつまでも変われません。自分を知り、自分らしさを活かせれば、たとえ環境や仕事が変わっても同じように活躍できます。
人は自分と共通項を持った人に興味を持ちますが、一番惹かれ合うのは同じ判断基準を持つ人です。はじめて会った人でも「昔からつながっていたような感覚」を味わったことはありませんか? 同じ判断基準を持つ人との縁は長期的に続きますが、そうでない人と続きません
自己肯定感とは心理学の「セルフ・エステーム」を翻訳したもので、分かりやすくいうと「自分のことが好き」という気持ちです。その場の空気を読んで、相手に合わせ続けていると自分のことが嫌いになり、言い訳の人生になります。自分の人生を生きると自己肯定感も高くなり、人生が楽しく豊かになります。
「自分らしく生きる」とは、自分が大事にしている価値基準で判断することです。自分らしい判断の積み重ねにより、自分に自信を持てるようになります。そして、周りから批判されても感情的に反発せず、冷静に受け流せるしなやかなメンタルを手に入れられるのです。
自分らしく生きることは、自分のエゴ・わがままを通すことではありません。周りが認めてはじめて成立します。具体的にいうと「良い悪いを含め”その人らしさ”が周りに正しく伝わり、周りにも認められ、必要な応援とチャンスが巡ってくる」生き方です。
聖人君子になれというわけではありません。「その人らしさの一貫性」がある生き方です。本当の自分らしいキャラクターで生きること。これなら誰でもできそうですよね。
自分らしく生きている人は傍から見ても素敵です。具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
首尾一貫した判断基準を持ちましょう。自分らしく生きている人は、誰もが自分らしい判断基準を持っています。
自分の長所・短所を全てありのまま認めます。目の前に壁が立ちはだかった時には、「どうすれば壁を越えられるか」を常に考え、必要なら助けを求める。時には撤退する勇気を持つのも大切です。
自分の判断基準に沿った意見を持ち、周り空気にのまれず、目的を果たすための最善手を打ちます。ただし、自分の行動にも責任を持ちます。
他人に嫉妬し、おとしめることは考えません。他人と自分は違う存在だと割り切ります。相手を上・下で見ず、競争で優劣をつけません。誰もが完璧でなく「成長の途中」とらえているので、相手の良いところに着目し、相手を尊重できます。
仕事もプライベートも同じ自分の人生なので、公私ともに充実しています。仕事とプライベートを分ける発想では、本当の自分らしい生き方を掴めません。
正解と思えることが2つあった時に、1つしか選べなかったとしたら、自分が選択した答えを正解に近づけようと注力します。選ばなかった選択肢に未練が残らないよう、いまを楽しむ術を分かっているのです。
では、自分らしく生きるためにはどうしたらいいのでしょうか。具体的に4つ解説します。
自分の根幹の持ち味である「資質」を知ることがスタートです。諸説ありますが「資質は生まれつきで半分、残りは20代前半までにほとんどが決まる」と心理学でいわれています。
資質に合うことは比較的楽にスキルアップし、成果を出しやすいものです。自分の資質を知ることで、世間体や情報に惑わされず、自分の根幹を見つけられます。
具体的な資質の見つけ方は、人から感謝された時に「どんな部分が良かったか」を分析することです。この感謝の声があなたの「価値」につながります。
一つひとつの資質は些細なもので大丈夫です。例えば、事務の仕事で一人には「正確さ」を、他の人には「気遣い」を。もう一人には「速さ」を褒められたとします。一つひとつは何気ない要素でも、掛け合わせれば自分の持ち味へとつながります。
資質の組み合わせが分かったら、その持ち味が活かせる環境(業界・会社・職種)を選びましょう。人生の判断基準に沿った場所にいて、はじめて自分らしく生きられるからです。
職場では周りの人が持っていない資質を発揮するのが良いでしょう。職場が「正確性」の資質が高い集団であれば、「スピード」の資質を発揮すれば、より自分の能力が活かせます。状況に合わせて資質を伸ばしながら、自分らしさを磨いていきましょう。
「一人ひとり考え方が違うのは当たり前だ」と割り切れると、人間関係やコミュニケーションのストレスが激減します。一番のストレスである人間関係やコミュニケーションのトラブルが激減すれば、自分らしく生きる余裕が生まれます。
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自分らしく生きるためにはメリハリが必要。やらないほうがいいことを知っておけば、言葉・態度・行動を修正できます。
「やらないこと」を理解して、自分らしく生きましょう。
自分らしく人生を送るために一番やめたほうがいいのは、「他人との比較」です。人は無意識のうちに他人と自分を比較してしまいます。そして、自分のふがいなさに落ち込んだり、人に対して攻撃的になったりしてしまいます。
どうしても比較をしてしまうのであれば、他人ではなく「自分」と比較しましょう。「3年前よりこれだけ成長した」など、過去の「マイナスの状態」と比べると、現在は「ポジティブな状態」であるのが明確になるので、心に余裕が生まれます。
必要以上に周りの人と波風を立てるのは得策ではありませんが、衝突を避けるために周りの意見ばかりを気にして行動をしていると、あなたらしさが消えてしまいます。周りの人に自分の人生を預けないようにしましょう。
人は多かれ少なかれコンプレックスを持っています。人は子供の頃から他人と比較されたり、評価されたりする中で、優劣を感じながら成長しているからです。コンプレックスは自分に対するネガティブな感情ですが、見方を変えれば「個性」です。いい意味に置き換えて、コンプレックスを乗り越え、自分の持ち味へと切り替えましょう。
人生の目的がお金になると、お金に人生を振り回されます。上を見たらキリがなく、無限ループに陥ります。お金を稼ぐことは「相手に喜んでもらい、その代償が数量化」したものです。自分らしく生きていれば、お金にとらわれなくなり人生が豊かになるでしょう。
言い訳をするのは心の防衛本能です。あなたのメンタルにダメージを負わせないために必要なものですが、うまく活用できないとマイナスになります。どんなに正しく「理由」を説明していても、相手には「言い訳」にしか聞こえないからです。あなたの評判・信頼・評価が落ち、やりたいことを任せてもらえなくなります。「言い訳」ではなく「理由」と判断してもらいましょう。解釈は加えず、「原因を事実」として伝え「どうすれば解決につながるか」もセットで伝えます。論点を解決方向に切り替えれば、前向きにとらえられます。
自分らしく生きると「覚悟」が決まります。自分らしく判断した決断は一貫性があり、あなた「らしさ」のブランドになります。どんな困難があっても、自分の判断基準に沿って未来を切り開きましょう。自分らしく生きることを先延ばしにするのは無意味です。いますぐ始めましょう。
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ここまで、自分らしく生きるとはどういうことなのかについて解説してきました。一方で、「自分らしく生きられるのは一部の人だけ」「会社員が自分らしく生きるのは難しいのでは」などと考える人もいるでしょう。しかし、会社員であっても、自分らしく生きている人たちはたくさんいます。
山来 雅弘さんTDK株式会社 品質保証部(2000年入社)
TDKでは品質保証部に所属し、技術者として業務として行っている山来さん。その一方で、以前から気象が大好きとのことで、6年前に一念発起し、「気象予報士試験」を受験。気象予報士試験は合格率4.0%の超難関国家試験であり、生半可な気持ちで合格できるものではありません。一度は不合格となった山来さんですが、諦めずに毎日5時間の勉強をこなして再挑戦。見事、2回目の受験で合格を勝ち取りました。現在ではTDK社員でありながら、日本気象予報士会千葉支部に所属し、気象予報士活動も行っています。
さらに、山来さんは「空」つながりでドローンにも興味を持ち、7台のドローンを所有して100本以上の動画を共有サイトに投稿するなど、精力的にやりたいことに取り組んでいます。
佐野 篤史さんTDK株式会社 エナジーデバイスビジネスグループ日本オペレーション(2000年入社)
TDKに入社後、配属された電池関連部署で電池の面白さにはまった佐野さん。もっと電池について学びたいと考え、社会人博士課程に入学。その後3年間、社会人と学生の二足のわらじを履く生活を送ったそうです。
さらに、TDKで働きながらその後も電池の研究を続け、今度は社会人の技術経営修士に入学。再び社会人兼学生としてキャリアを積みました。当時、佐野さんは会社でも部下を持つなど責任あるポジションに就いています。会社員や管理職でありながら、自分のやりたいことをとことん極めていった佐野さんは、まさに自分らしく生きる人を体現しています。
***自分らしい働き方を実践する社員が数多く所属するTDK。同社は日本が世界に誇る4大イノベーション(フェライト素材・磁気テープ・積層部品・磁気ヘッド)を確立した総合電子部品メーカーです。TDKの高い技術力は、スマートフォンやパソコン、自動車、鉄道など、あらゆる製品やインフラに使用されており、私たちの「当たり前の生活」を見えないところから支えています。
30以上の国や地域に250を超える拠点を展開。従業員のうち約90%が日本以外に在籍しており、中途入社率や役員の外国人比率も高く、多様性に富んだ組織を実現しています。
多様な社員の活躍を支えるために、TDKでは様々な制度を整備。出産・育児支援制度や介護休業、在宅勤務・フレックス・スーパーフレックス、再雇用制度、配偶者転勤に伴う働き方の選択など、社員が自分らしく生きていくための環境が整っています。自分らしい生き方、働き方をしたいと考える方は、ぜひ一度調べてみてはいかがでしょうか?
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まつもととしあき1970年12月12日生まれ、千葉県出身。人事・戦略コンサルタント。HRストラテジー代表。HR総研客員研究員。PwC、マーサー、アクセンチュアなどの外資系大手コンサルティング会社のプリンシパル(部長級)を経て現職。世界や日本を代表する大企業からスタートアップ企業まで、600社以上の人事改革に従事。5万人のリストラと7000名を超えるリーダーの選抜と育成を行った「人の『目利き』」。近年は企業向けのコンサルティングに加え、「誰もが自分らしく活躍する世の中」に近づけるため、自分の持ち味を活かしたキャリアの組み立て方を学生、ワーキングマザー、若手からベテランまでのビジネスパーソンに教えている。個別のアドバイスを5000名以上にライフワークとして提供し、好評を博す。『できる30代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)、『稼げる人稼げない人の習慣』(日本経済新聞出版)、『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)、『5秒で伝えるための頭の整理術』(宝島社)など著書多数。
『できる30代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)
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