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パーク_ハイアット_京都は、1877年創業の歴史を持つ料亭「山荘 京大和」の敷地内に建てられた。
開業2周年を迎えたパーク ハイアット 京都(京都市東山区)が、老舗カメラブランドの「ライカ」とのコラボレーション・プランの販売を開始した。その内容は? マンガ家・コラムニストの辛酸なめ子さんが体験した。Vol.3は、プランの目玉であるライカのカメラを使った撮影体験をリポートする。【写真を見る】ライカとの究極のコラボレーションプランの詳細
パーク ハイアット 京都のロビーやラウンジなど、各所に展示されている叙情的な美しい写真の数々。撮影したのは写真家の大杉隼平氏。実際お会いすると、心は詩人であるということが伝わります。総支配人のマーク・デ・リューヴァーク氏は「パーク ハイアットのエモーションやエナジーを抽象的に表現できる人を探していたんです」とおっしゃっていました。大杉さんの作風を見て、彼こそがホテルのスピリットを表現できる写真家であると確信したそうです。今回は、その大杉さんを講師に、「ライカ」のカメラを使用したフォトグラフィーセッションを体験するツアーに参加。初日に「ライカQ2」のマニュアルモードでの使い方をレクチャーいただきました。なにも考えずスマホやデジカメでオート撮影してきた身としては、シャッタースピードやレンズの絞り、画角やピントなど4つくらい設定しなければならない目盛りやダイヤルがあって、もう覚えきれません(美大生だった時は使いこなせていたはずなのですが前世くらい昔なので……)。二寧坂という最高に雰囲気が素敵な坂をツアー参加者で歩きながらフォトスポットを探索。「看板の反射を使うと面白い写真が撮れますよ」「今、婚礼の男女が歩いてきましたが、足元だけを写しても良いかもしれません」惜しげなく写真のテクニックを教えてくださる大杉さん。このツアーで写真に目覚めてプロを目指す人が輩出されたら競合になる可能性もありますが……。
寧々の小道という自然豊かな階段へ。「階段の上から誰が来るかで写真の雰囲気が全然変わります」と、大杉さん。京都の写真を撮影し始めた頃、ここで長時間シャッターチャンスを待っていたそうです。「レンズを開放にして手前に葉っぱを入れると、その葉っぱが白い光みたいに写っていい感じの写真が撮れます」と、また秘密の技を教えてくださいました。このツアーの価値はプライスレスかもしれません。しかしレンズの開放についてどこを操作すればいいのか失念してしまい、撮影に手間取ってしまいます。今までデジカメやスマホを片手で雑に撮っていたのは、もしかしたら写真の対象に対して失礼だったかもしれないと気付かされました。ライカのカメラを使っていると、自然や人など対象と真剣に向き合う姿勢にならざるを得ません。そうしているうちに大杉さんがまたすごい技を伝授。落ちている葉っぱをハラハラと落としそのタイミングでシャッターを切ると素敵な写真が撮れるそうです。「じゃあ3、2、1、で葉っぱを落としますから撮ってください」と大杉さんが声をかけると、皆がカメラを構えます。「3、2、1、はい!」「あっ…」「3、2、1、はい!」「またダメでした…」真剣白刃取りかと思う反射神経を要求され、私は一回も葉っぱを撮影できませんでしたが、他の方々は何名かキャプチャーモーメントできたようです。鏡を地面に置いて撮影する方法など、他にも裏技を教えてもらいました。その一方で「ISO400くらいで明るさを調節すると光が飛ばないと思います」と具体的で的確なアドバイスも。その度に「ISOってなんだっけ」と物覚えの悪さを自覚するのですが……。
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