VIVE Flowは、189g(付属のケーブルが1.2m、50g)と缶コーヒー1本分程度の重量で、メガネのようにフレームを折り畳めるから、バッグ等に収納するなどして持ち歩きがしやすく、外出先の視聴にも適している。
従来のVRヘッドセットでは、ディスプレイからの光が目に届いて焦点を合わせるためには、ある程度、広い空間が必要だった。それに対して、VIVE Flowは、光学システムのサイズと重量を改善。偏向レンズとハーフミラーからなる「パンケーキレンズデザイン」を採用し、ディスプレイとレンズ間、そして、目の距離を短くすることで、小型化に成功している。
また、本体にメインのバッテリーは内蔵しておらず、USB Type-Cケーブルで、モバイルバッテリーもしくは、コンセント等の外部電源を利用する仕様にしたことも、小型・軽量化に貢献していると言えよう。電力が7.5W以上供給可能な電源に接続されると、VIVE Flowが自動的に起動する。ただし、不意の電源喪失時等にも稼働状態を維持できるように、本体にも5分間給電できるホットスワップ機能の予備のバッテリーは備わっている。
フレームには、内蔵ファンが実装されており、内部の熱を通気口から排出するアクティブ冷却システムが施されている。試用時も熱が篭ることもなく、快適にオペレーションができた。
フレームのテンプル(ツル)部分のスリットは、空間音声対応のスピーカーである。イヤホンジャックはないが、Bluetooth接続により、イヤホンやヘッドホン、スピーカー等の利用が可能になる。また、ノイズキャンセラーとエコーキャンセーラー付きのデュアルマイクも、左目の上(音量調整ボタンの少し横)とその真下あたりに配備している。
本体前面には、デバイスカメラが設置され、ビデオパススルー表示(白黒)が可能となっており、VIVE Flowを外さずとも、視聴中の周囲の環境が認識できて、安全にも配慮されている。トラッキングは、2個のカメラによるインサイドアウト方式の6DoFトラッキングだ。