(写真:ファミ通.com)
文:菅谷あゆむ新要素盛りだくさんで、ワクワクがいっぱい! いまから9年前の2012年(平成24年)11月8日は、ニンテンドー3DSで『とびだせ どうぶつの森』が発売された日。【この記事の画像をもっと見る】 現実と同じ時間が流れる村で、どうぶつたちと会話をしたり、気ままなスローライフを楽しむことができる『どうぶつの森』。シリーズ6作目となる本作は、2008年にWiiで発売された前作『街へいこうよ どうぶつの森』からたくさんの要素が追加・変更された。 これまでのシリーズと大きく異なる点は、プレイヤーが村長として村づくりをしていくこと。村長としての基本的な仕事は、大きくふたつ。 ひとつ目は“公共事業”。住民の要望を聞いて橋や交番などの公共施設の設置していくのだが、なぜか村長のポケットマネーを使うため、金策に奔走したユーザーは多かっただろう。ふたつ目は“条例”の制定。景観をよりよくする“美しい村”や店の閉店時間を遅らせる“眠らない村”など、4種類の中から自分のプレイスタイルに合わせて村の方針を選択する。勉強や仕事でなかなかゲームをする時間が取れないユーザーにとっては、ありがたいシステムだった。 ちなみに、村長の秘書としていろいろなアドバイスをくれるのは、本作で初登場の“しずえ”。キュートな笑顔と村のために働く健気な姿は多くのユーザーを魅了し、これ以降いろいろな任天堂の作品に登場した。たとえば、2018年にNintendo Switchで発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にはファイターとして参戦。2014年にWii Uで発売された『マリオカート8』ではレーサーとして活躍した。 村の北側にある踏切を抜けると、そこに広がるのは商店街。家に関する相談を一手に引き受けるたぬきちの“たぬきハウジング”をはじめ、花のタネや木の苗などを販売するレイジの“園芸店”、リアクション芸の達人ししょーが切り盛りするクラブハウス“クラブ444”、シャンクが営む靴と靴の専門店“Shoe Shank”など盛りだくさん。村で生活をしていくと少しずつお店が増えていき、それらが立ち並ぶ路地をただ歩くだけで心がウキウキしたものだ。 ほかにも、海水浴、キャンプ場、家具のリサイクルができるリサとカイゾーの“R・パーカーズ”など、新要素が盛りだくさん。その中で筆者が驚いたのは、“リセット監視センター”という公共施設。プレイヤーが設置しない限り、従来のシリーズでおなじみの“リセットさん”が登場しないのだ。ゲームをリセットしてしまうと、「くらぁ~~っ!!」と鬼の形相で怒るリセットさん。彼に説教されるのが怖いというユーザーへの配慮として、こういう形になったのだろう(根はいい人です)。 また、従来は身に着けられるアイテムが上半身だけだったが、本作からトップス、ボトムス、ワンピース、靴下、靴が登場。マイデザインもさらに自由度が高まり、QRコードを使えばほかのユーザーにデザインを広めることができた。 通信プレイにも力を入れていて、ローカル通信またはインターネット通信を使って最大4人でいっしょに遊べるのはもちろん、すれ違い通信ではすれ違った相手の家がゲーム内の“ハッピーホーム展示場”に表示されるというおもしろい仕掛けも。また、インターネット通信を使った試みとして、商店街にある“夢見の館”からいろいろなプレイヤーの村へ遊びに行くことが可能に。 本当に要素が多くて書ききれないが、何よりも魅力的なのは作品の世界観。季節ごとに移ろう景色、住人たちとの何気ないやり取り、サカナ釣り、ムシ獲り、ファッションのコーディネート、イベントへの参加……。村を歩くだけで新しい発見がいっぱいあり、自然と温かくて幸せな気持ちになる。 なお、本作は2016年11月2日に更新データが配信されたことを機に名称が『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』に変更。『とびだせ どうぶつの森』ユーザーはインターネット経由でアップデートをすることで、無料でゲームをプレイすることができた。 また、本作は発売直後から人気を博し、一時は品薄状態になった。これは、ROMカード内に使用していた半導体の生産が追いつかなかったためとされている。販売再開後も売り上げを順調に伸ばし、2020年3月にNintendo Switchで『あつまれ どうぶつの森』が発売されるまで、シリーズでもっとも売れたタイトルとなった(2016年3月発売『ハッピープライスセレクション とびだせ どうぶつの森』と『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』を含む)。『あつ森』累計販売本数が2240万本に。シリーズ歴代最高のセールスを達成【あつまれ どうぶつの森】https://www.famitsu.com/news/202008/06203599.html