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スタンフォード大学が枝に着地できるロボットを開発。遭難や災害時に活躍しそう
自然から学んだら、こうなりました。鳥のように枝に止まれる飛行ロボットを開発できたら、狭くて入り組んだ場所でも着地できますし、羽を休めた分だけ長時間稼働が可能になりますよね。【全画像をみる】スタンフォード大学が枝に着地できるロボットを開発。遭難や災害時に活躍しそうスタンフォード大学が開発したハヤブサの趾(あしゆび)を模して作られた「SNAG」はまさにそれ。枝に止まれるだけじゃなくて、空中でお手玉やボールをキャッチできちゃうそうです。まだ改良の余地があるそうですが、ゆくゆくは捜索・救難活動、山火事や火山活動のモニタリング、環境調査などにおいて大活躍してくれそうです。
空飛ぶロボットはこれまでにもたくさん開発されてきましたが、着地が大きな課題でした。鳥はあらゆる複雑な形状の表面に着地して、そこから飛び立つことができます。しかし、今日の飛行ロボットにはそのような不規則な形状の物体をつかむ動力学的な能力が限られています。とスタンフォード大学の研究者たちは新しく発表された論文の冒頭で述べています。鳥は枝や電線、時には垂直の崖や幹にも造作なく止まれます。しかも、岩のようにゴツゴツしていようが、欄干のようにツルツルしていようが、鳥はどんな場所に着地するのにも決まった動作を繰り返しているそうなんですね。だからこの一連の動作を模倣すれば、ロボットも枝に止まれるようになる! というのがスタンフォード大学のロボット研究家・William Roderickさんの仮説だったのですが、実際ロボットに同じことができるようになるまでには何年もかかったとプレスリリースで説明しています。Roderickさんはバイオミメティクス(生物の機能を模倣する技術)専門家のMark Cutkosky教授と、飛行ロボット研究家のDavid Lentink教授のラボでインコの飛行と着地について長年研究を重ねた後に、試行錯誤を経てついに「動力学的に複雑な形状の表面に着地したり、不規則な形状の物体をつかめる生体模倣ロボット」を作り上げました。それがこちらの「SNAG(Stereotyped Nature-inspired Aerial Grasper)」です。直訳すると「空中で物をつかめる自然模倣的ステレオタイプロボット」。SNAGの上にドローンを装着すれば、空を自在に飛び回れて、枝にも止まれる鳥のような飛行ロボットの完成です。見ためは、ちょっとアレですけど…。
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