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警察が出動する騒ぎになった外国人選手たちの野外パーティー(7月31日深夜。関係者提供の動画より)
日本人選手の活躍、数多くのメダル、ドラマのおかげか、終わってみれば世論調査で「開催して良かった」という国民が過半数を占めることとなった東京オリンピック・パラリンピック。【写真】大音量のラテンミュージックが流れるなか、酒を煽りパーティーを楽しむ選手たち。密着する男女も…… 懸念された五輪会場を舞台にしたパンデミックなども発生しなかったことも「良かった」の声の背景にはあるだろう。「バブル方式」等の感染対策が奏功したと見ることもできる。 もっとも、ちょっと裏側を見ると、スレスレの状況もあったようだ。 ***
当時、「デイリー新潮」が独自入手した動画には、警察が出動する飲酒トラブルが発生した現場で、マスクもせず、”密”に踊る外国人選手たちの姿が映っていた。(2021年8月3日の記事をもとに加筆・修正を施しています)
「夜の選手村はもはや無法地帯です。連日、深夜まで外国人選手たちは野外パーティーで大騒ぎ。いつクラスターが発生してもおかしくない状況なのに、組織委は彼らをまったく制御できていません」。 こう告発するのは、ある大会関係者である。「パラレルワールド」。こんな表現で例えられる東京・晴海の選手村。出島のような形をした区域は厳重なセキュリティーに守られ、関係者以外は一切立ち入れない。 8月2日深夜0時。選手村の様子をうかがおうと、運河を挟んでおよそ100メートルの距離にある「豊海埠頭」に行ってみた。右手にはレインボーブリッジが浮かぶ東京湾の夜景が広がる。埠頭一帯は静まり返っているが、耳をすましていると、潮風に乗って対岸から人声が聞こえてきた。「オーオッ! オーオッ!」「イエーイ!」「キャハハハ」 時々、闇夜に響く口笛。明らかに複数の男たちが屋外で騒いでいる。30分くらい様子をうかがっていると、「ハッピーバースデートゥーユー」の大合唱が聞こえてきた。どこから聞こえてくるのか場所を特定したいが、建物に隠れてよく見えない。逆側の豊洲市場のある対岸にも回ってみたが、やはり確認できなかった。「対岸からは消防署などの施設が邪魔して見えません。ドローンを飛ばすか、レインボーブリッジから超望遠カメラを使うしかありませんよ」 こう語るのは、選手村の事情に詳しい大会関係者である。「彼らが騒いでいる場所は、選手村の中の海に面した晴海埠頭公園のあたりです。マスコミが取材できないのをいいことに、一部の選手たちが、毎晩、ここでどんちゃん騒ぎを繰り広げているのです。野外パーティーは開会式から4、5日経った27日頃から始まりました。毎晩、深夜まで公園内の至るところで行われています。おそらく競技が終わった選手たちが中心になってやっているのでしょう。今大会は、競技が終わった選手は順次、48時間以内に選手村を出ていかなければなりません。外に出歩くこともできない彼らは、こうして東京の“ラストナイト”を楽しんでいるのです」 確かに息抜きしたくなる選手たちの気持ちもわからなくはない。とはいえ、コロナ禍で行われた異例の大会なのだから仕方あるまい。組織委も、選手村の中での飲酒自体を禁じているわけではない。選手村内でもデリバリーなどで酒を購入することは可能。そのかわり「部屋の中で一人で」(前出の関係者)というのがルールだ。 だが、関係者が提供してくれた数十秒間の動画には、お目こぼしなどでは到底済まされない乱痴気騒ぎが映っていた。
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