デルの“Web会議用モニター”は34型の湾曲タイプで解像度UWQHD(3,440×1,440ドット)の「C3422WE」、27型のフラットタイプで解像度WQHD(2,560×1,440ドット)の「C2722DE」、23.8型のフラットタイプで解像度フルHD(1,920×1,080ドット)の「C2422HE」の3モデルをラインナップ。パネルのサイズと解像度以外のスペックは共通となっている。今回はもっとも最上位の「C3422WE」を中心に使い勝手をチェックしていきたい。ウルトラワイドの湾曲タイプという構成が、仕事に効くのかという点も含めて確認していこう。
このシリーズが“Web会議用”と銘打たれているのは、本体上部にポップアップ式の500万画素の高精細Webカメラと、ノイズキャンセリング機能付きの高音質マイクを備え、下部に人の声が聞きやすいデュアル5Wのエコーキャンセルスピーカーを備えているため。別途Webカメラやヘッドセットを用意しなくても、このディスプレイだけでWeb会議に必要なものがすべて揃う。
「WebカメラもマイクもノートPCについている」という意見が出てくるだろうが、ちょっと待ってほしい。その内蔵Webカメラやマイクの画質、音質に不満を持っている方が多いのだ。デルのWeb会議用モニターは、この不満を改善することに重きを置いているのが特長だ。500万画素のWebカメラはクッキリと映るうえに、自宅でのWeb会議でありがちな“天井の蛍光灯が逆光になって顔が暗くなるシーン”にも強く、顔が明るく表示されるのもポイント。マイクはノイズキャンセリング機能もあるので、エアコンの音など声以外の環境音が入りにくいのもうれしい。
実際に92万画素とノイズキャンセリング機能のないマイクを備えた2016年頃の旧型のノートPCとの画質と音質を比較してみた。Microsoft Teamsを使い、C3422WEのWebカメラとマイクを使った場合、旧型のノートPCを使った場合、それぞれで相手からどう見えるかを確かめている
テスト環境が比較的静かだったこともあり、音声は旧型PCでもそれなりに聞こえる。しかし細かい点を注意しながら聞いて見ると、ときたま消しきれない環境ノイズが収録されたり、不自然な無音部があったりする。
一方、画質は明らかに異なる。旧型PCではフェイスライトをオンにしても逆光で顔が暗くなってしまうのに対して、C3422WEのWebカメラは鮮明な上に顔が明るく映っており表情がよく分かる。状況に合わせてカメラの明るさを調整する機能がうまく働いているようだ。Web会議のために本格的なライティングまで用意するという人はほとんどいないだろう。手軽にしっかりと映るWebカメラは非常にありがたい存在のはずだ。
C3422WEはどのWeb会議アプリでも効果を発揮するが、認定を受けているMicrosoft Teamsだと、より便利に使える。本体左下にはTeams用のボタンが用意されており、ワンタッチでTeamsを起動できるほか、参加予定の会議がスタートするとボタンの上が点滅してお知らせしてくれる。
現在は、自宅に持ち帰りテレワークしやすい、社内でも会議に持ち運びしやすいという理由からノートPCをメインにし、自宅や会社のデスクでは大型の液晶ディスプレイに接続して仕事の効率を高める、というスタイルが増えている。
こういった使い方ではC3422WEは一層役立つ。液晶ディスプレイを使う場合、ノートPCは左右のどちらかに置くというケースが多いだろう。その場合、ノートPCのWebカメラでWeb会議に参加すると、どうしても顔が斜めから映ることになる。顔が正面にならないことを気にする参加者もいるはず。その点、C3422WEなら内蔵のWebカメラでかならず顔を正面から映すことができる。