米グーグル初の純正プロセッサー「Google Tensor」で最適化された「Google Pixel 6」。ディスプレーに使われているのは6.4インチの1080×2400ドットの有機EL(OLED)。精細度は411ppi。背面には、50メガピクセルの広角カメラと12メガピクセルのウルトラワイドカメラを備えている
2008年にiPhone 3Gが発売されてから始まった、日本におけるスマートフォンのムーブメント。Android端末も含め新しいガジェット好きにとっては本腰を入れて使ってみたくなるデバイスだった。ただ、電話を軸とした通信端末として考えた場合、従来の折り畳み式携帯電話のほうが扱いやすいという印象がありました。【関連画像】レコーダーアプリで『あめんぼの歌』を録音スマートフォンの印象が大きく変化したのは、忘れもしない11年。東日本大震災時の情報確認メディアとしてFacebookやTwitterが注目されことがきっかけです。テキストメッセージをベースとするSNS(交流サイト)をいつでもどこからでも使えるようにと、スマートフォンを手にするユーザーが増えました。あれから10年以上が経過した現在、ニュースを読むのも音楽を聴くのも写真や動画を撮るのもスマートフォンになっています。仕事用のメール確認や業務タスクのチェックもスマートフォンを使うようになりました。ポケットサイズにさまざまな機能が集約され、メディアの枠組みが消えて融合していくデジタルコンバージェンスを体現するデバイスに成長しました。●お値ごろ価格でQOWを上げる近年のスマートフォン、特に10万円を超えるようなハイエンドモデルは、カメラ性能の高さを強調するモデルが増えました。新しいセンサー、新しい光学系を採用したスマートフォンは、写真・動画ともに過去モデルと比較して高画質なコンテンツを残せます。進化したことを視覚的にアピールできる重要なポイントとなっています。しかし、他の改善点を見てもあまり心が動かされない自分がいることに気が付かされます。処理速度は既存機種レベルでもとりあえず十分じゃない?消費電力とバッテリー容量の兼ね合いは重視したいけど、速すぎる急速充電や大型画面にはそれほどひき付けられない。考えてみれば今使っているスマートフォンで読む・書く・聴く・撮るをこなしてきただけに、このままでも事足りると考えてしまう。クラスター(東京・品川)が提供している「cluster」のようなバーチャルSNS=メタバース(仮想空間)サービスが普及したら、処理速度の重要度は一気に増しますが、今のところは無理に買い替えしなくてもいいかな、と思っていた私。その感情を揺さぶったのが米グーグルの「Google Pixel 6」です。「Google Tensor」を搭載したPixel 6であれば、記録した動画や音声の処理を任せられることに気付いたからです。