発売が遅れていたGR86も出そろった今、ちまたのスポーツドライバーたちは、「せっかくのFRなんだから、やっぱりカウンターあてたいならGR86でしょ?」とか「いやいやもっと大人っぽい『スバルBRZ』に決まってる」などと熱い意見を戦わせて盛り上がっているのだろうか。そもそも市場が限られているジャンルではあるものの、そうだといいなと願うばかりである。それでこそスケジュールを変更してまで仕立て直した開発陣の努力も報われるというものだ。
@RolandPaterson @charlottevslife That’s our jobs as driving instructors,we teach how to pass cyclists safe and how… https://t.co/qvG1Oog2XV — craig atkin Tue May 18 07:20:19 +0000 2021
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ほぼ10年ぶりにモデルチェンジしたGR86とBRZは、トヨタとスバルそれぞれのこだわりが目いっぱい詰め込まれた2代目である。従来型同様に商品企画とデザインはトヨタ、設計開発と生産はスバルという役割分担とされている。両者のハンドリング・キャラクターの違いについては、既に詳しく解説されているので細かい部分にまでは踏み込まないが、大ざっぱに言えば86はフロントナックル素材やスタビライザーの取り付け方、スプリングレートなどを独自のものに変更して鋭い回頭性とドリフト時のコントロール性を重視、一方でBRZは高いスタビリティーを優先したということらしい。
リスケの理由として伝えられているのは、もっと「GR」らしい活気あふれるクルマにしてほしいという、マスターテストドライバーでもある社長の鶴の一声で最後の最後に開発をやり直すことになったという話だ。ちょっと出来過ぎのような気もするが、まあそういうことだろう。ただし、既に発表発売スケジュールが決まっているクルマの最終段階でやり直すのは、本当に大変なことである。一番偉い人の意見だから通ったが、ほとんど料理が出来上がったころに、下っ端がちゃぶ台返しを試みても静かに黙殺されるのが落ちである。しかも実際に生産を担当するのはスバルなのだから、その手間が増えたことは言うまでもない。実際に皆さんの仕事や生活を想像してみてほしい。「いまさらそんなあ、間に合わねーっすよ、せんぱーい」というものだろう。それだけ思い入れというか、こだわりが強いモデルなのである。