これまで「iPhone」の購入を検討している大部分の人には、「Pro」シリーズではなく標準モデルをおすすめしてきた。それが今年のアップルのモデルチェンジでは、さらに自信をもって標準モデルのほうを推薦できる。
「iPhone 13」シリーズでは、どのモデルでも最小ストレージ容量が128GBに増量された。さらに、すべてのモデルのカメラにセンサーシフト式手ぶれ補正機構が搭載され、わずかな手ぶれを軽減し、暗所でもくっきりとした写真を撮影できるようになっている。これらは従来、iPhoneの「Pro」シリーズ専用の機能だった。
個人的にお気に入りの新機能である「シネマティックモード」も、一部のモデルに限定された機能ではない。すでに『WIRED』US版では「iPhone 13」と「iPhone 13 mini」をレヴューしているので、「Proまではおそらく必要ない」と考える理由をもっと詳しく知りたければ、そちらをご覧いただきたい。
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とはいえ、購入可能なiPhoneのなかで最大かつ最高、そして最新のモデルが欲しくて「iPhone 13 Pro Max」を購入した人もいるだろう。それはそれで悪くない判断である。999ドル(日本では12万2,800円から)の「iPhone 13 Pro」と1,099ドル(日本では13万4,800円から)の「iPhone 13 Pro Max」は、どちらも特別な機能を備えた優れたスマートフォンだからだ。
しかし、重要な点は「特別な機能が少ない」ということだろう。「iPhone 12 Pro」シリーズからの改良は非常に歓迎すべきものではあるが、いずれも従来の機能の延長線上にある。
iPhone 13 ProまたはiPhone 13 Pro Maxをカメラ以外の機能で選択すべき最大の理由は、「ProMotionテクノロジー」と呼ばれる技術の搭載である。アップルが2017年に「iPad Pro」で初めて採用したこの機能により、リフレッシュレートが120Hzになっている。簡単に言えば、iPhoneの画面が1秒間に表示する画像(フレーム)の数が60から120に倍増されたことで、映像が滑らかに表示されるということだ。
Androidスマートフォンでは、安価な端末でも以前から高リフレッシュレートが実現していたので、アップルは遅れを取り戻しつつあると言っていいだろう。しかし、iPhone 13 Proシリーズでは、ユーザーによるその瞬間の操作や指が画面に触れる速度を考慮してリフレッシュレートが自動調整される。
例えば、静止したホーム画面では、リフレッシュレートはおそらく10Hzを少し超える程度だろう。Instagramを閲覧しているようなときは、120Hzまで上昇する。
このようにリフレッシュレートが自動調整されることは、消費電力の節約にもつながる。常時120Hzで動作させるとバッテリーの減りが激しくなってしまうのだ。iPhone 12 Pro Maxと並べて比較すると、画面の滑らかさが実感できる。すべてがほんの少しだけ、スムーズになっている感じがするのだ。
最大の画面サイズにこだわるなら、6.7インチの大画面を備えたiPhone 13 Pro Maxを選ぶといい。最大のディスプレイを搭載したiPhoneは、通常の「Pro」と比較しても特別な機能を備えていることが多いので、いつもなら「Pro Max」のほうをすすめる。