撮影後は、モバイルデバイス用のアプリ「Insta360」で、すぐに編集に取りかかることができる。以前は、カメラ毎に別のアプリ対応であったが、昨年、コンシューマー向け製品は、この一つに統合されたのだ。同社の公式サイトから無償でダウンロードして利用できる(iOS、アンドロイドに対応)。
ここでは、撮影した静止画の画像調整や、動画のアスペクト比の変更、トリミング、スピード調整、マルチビューの適用、リフレーム 、BGMの付加、色調補正などを手軽に施すことができる。
追跡したい被写体をタップ(ドラッグ)すると、映像を自動的に分析して、人間やペットなどの動体をフォローしてくれる機能が、進化した「ディープトラック2.0」だ。360°撮影を活かして、動きまわる被写体でも確実に認識・追尾し、常にセンターに配置されるように、クロップ処理するテクノロジーには本当に驚かされる。
※画像をクリックすると拡大しますモバイルアプリ「Insta360」の動画編集画面
※画像をクリックすると拡大します同じくパソコンの「Insta360 Studio 2021」上でも、ディープトラックなどの機能は使用できる
「ディープトラック2.0」の処理を施して、被写体(自撮り)をセンターに配置、クロップして書き出した動画。撮影時に、途中で自撮り棒の持つ角度を変えるなどしてみたが、しっかり対象に追従しているのが、見てとれる
また、「オートフレーム」という機能では、360°映像をAIが解析して、自動的に魅力的な被写体やベストなアングルを抽出して、リフレームしてくれる。切り出されたクリップをセレクトして、順番を構成していけば、自ずと動画が仕上がるという仕組みだ。発展途上の機能だと思うが、様々なオブジェクトの要素がある場所で撮影された素材で試してみると良いだろう。
そして、筆者が特に気に入っている機能に、「フライスルー」がある。まず、ONE X2を見えない自撮り棒に取り付け、前方に突き出して、歩き回って撮影する。ポイントは、狭い箇所を通過する時、タップして場所をマークすること。すると、その部分に見事にトランジションが施され、編集でスピードを調整すれば、小型ドローンによるアクロバティックな移動撮影の如き仕上がりになる。
※画像をクリックすると拡大しますモバイルアプリ「Insta360」で、動画にオートフレーム処理を施した画面
※画像をクリックすると拡大しますPCアプリ「Insta360 Studio 2021」で、動画にオートフレーム処理を施した画面
「フライスルー」を用いれば、狭いところを通過する”擬似小型ドローン撮影”のFPVショットが実現できる
そして、アプリ「Insta360」の「編集ラボ」には、20種あまりのユニークなテンプレートが用意されており、表示されるチュートリアルビデオを見ながら撮影し、ガイドに沿って、数回タップして設定をしていくだけで、「影分身」、「残像分身」、「電撃ウォーク」、「Ghost Town」、「ドリーズーム」など、魔法のような映像エフェクトを施したコンテンツができあがる(Insta360 ONE Rで撮影した素材も加工できる)。
編集ラボ」の「残像分身」の作例
「AI編集」には、Vlogや旅行、スポーツ用途などで撮影したクリップを、素早く編集出来るテンプレートが揃っている。「フラッシュカット」ボタンを押せば、AIがテーマに合ったベストショットを見つけ出し、BGMまでつけて全自動編集がなされる。もちろん、後で、仕上がりを調整することも可能だ。
さらに、「ストーリーズ」では、撮影済みのクリップを任意に選び出し、好きなトランジションやBGM、投稿するプラットフォームに合わせたアスペクト比などを選んで、サクッと編集ができる仕様になっている。