凸版印刷と情報通信研究機構(NICT)は2022年1月31日、透明AR(拡張現実)ディスプレイにフォトリアルな3D映像を表示する実証実験に成功したと発表した。
NICTが開発した透明ARディスプレイシステムは、ホログラムプリント技術(HOPTEC)を応用したもので、3Dメガネをかけなくても裸眼で3D映像を見ることができる。ホログラフィックフィルム1枚に、約30台の小型プロジェクターを用いてフルカラーの映像を投影することで、対角350mm、水平視野角60度、垂直視野角10度以内に3D映像を表示する。
凸版印刷が2020年12月に導入した「ライトステージ」は、南カリフォルニア大学が開発した装置で、高精度な人体計測が可能だ。実証実験では、ライトステージで肌の質感を含む高精細な顔のデータを計測し、計測データを透明ARディスプレイシステム上に再現することで、フォトリアルな3D映像を表示することに成功した。
凸版印刷とNICTは今後、同システムを活用した3Dコンテンツの提供により、新しいコミュニケーションの可能性を追求する。例えば、エンターテイメント分野ではデジタルツインや仮想キャラクター、医療分野では人体の3D映像を使った手術トレーニングや手術支援など、さまざまな分野で展開を進めていく。
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