高速バス、とくに夜行バスのなかには個室が備わっているものもありますが、そのような個室は乗車中の睡眠の質を高めることや、プライバシーを守るといった観点で非常に重宝される存在です。
そうしたなかで、全但バスが運行するラグリアは、パウダールームや充電コンセントなど豪華な車内設備を兼ね備えた高速バスとなっています。
このラグリアの名称は、西日本初の導入ということから、車両導入時から愛称を募集し、豪華なことを意味する「Luxurious」とリラックスするということを意味する「Relax」を掛け合わせて作られました。
全但バスでは2021年12月に完全個室の「グリーンルーム」つきの高速バスの運行を開始しました。
このグリーンルーム付き高速バスは2台のみの運行となっており、城崎温泉12時発と大阪18時20分発の城崎温泉から大阪の往復間、湯村温泉10時30分と大阪17時20分発の湯村温泉と大阪の往復間の運行となっています。
このグリーンルーム内では、座席4つ分の大きさの室内になっており、その室内を一人で占有することができます。
全但バスは、グリーンルームの設備や機能について「まず、グリーンルームでオススメしたい設備として、日本初となる高速バス車外カメラ鑑賞システムのバスビューシステムがあります」と話します。
このバスビューとは、座席手前に備わっているモニターを通して、車外から見える景色や風景をリアルタイムで確認することができるシステムです。
車体の天井中央、屋根上、屋根後部、運転席にカメラが備えられており、そのカメラを通して普段は見ることができないようなアングルから、車外の様子をうかがうことができます。
また、そのほかのグリーンルームの設備について、前出の担当者は「車内には専用のエアクリーナーが備わっており、室内でありながらも、ずっと綺麗な空気を保ってくれるのでオススメです」といいます。
専用クリーナーの存在は、このコロナ禍での密室においても、非常に重要な役割を果たしているようです。
さらに、期間限定サービスとして、2022年2月28日まで車内でARグラスを用いて「全但バスオリジナル観光地紹介ムービー」などの映像を楽しむことができるサービスを提供していました。
残念ながら、このサービスは2022年2月いっぱいで終了していますが、新しい期間限定サービスがいずれ登場する可能性もあるかもしれません。
多くの機能が備わったグリーンルーム付きの高速バスですが、利用者からは「コロナ禍での密を避けることができるため、安心して利用することができる」「人目を気にせずゆっくり過ごせるので居心地がいい」といった声があると、前出の担当者はいいます。
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運行が開始されてから間もないにもかかわらず、多くの利用者が「居心地がいい」と声をあげるグリーンルーム付きの高速バスですが、料金は運賃にプラス1000円と、非常にコストパフォーマンスがいい価格に設定されています。
完全個室付き高速バスが誕生する背景には、コロナウイルスの流行によって、個室の重要性が高まっていることや、海外旅行に行けない分、国内旅行を豪華に楽しむ人が増えたことがあるようです。
このような背景から、完全個室付きの高速バスの需要は今後ますます高まってくるかもしれません。