首都高のETC専用化を伝えるポスター(中島洋平撮影)。
首都高速道路は2022年1月12日(水)、前田信弘社長の定例会見を開催、春に実施される一部の入口の「ETC専用化」について説明しました。【現金車ふんだり蹴ったり!】ETC専用になる入口を画像で見る 2020年に国が打ち出した高速道路のETC専用化ロードマップに基づく施策で、首都高では2022年3月1日に5か所、4月1日に29か所、既存の入口がETC専用になります。1月12日には、首都高のウェブサイトでETC専用化を伝える特設ページも開設されました。 すでにETC専用となっている馬場入口(K7横浜北線)を加えると35か所。NEXCO東日本、NEXCO中日本も同時期に一部のICをETC専用としますが、数のうえでは、首都高がその先陣を切っていく形です。 新たにETC専用となる34か所の入口は、次の通り。なお★は3月1日からの5か所、それ以外は4月1日からETC専用となります。●C1都心環状線・霞が関(内)・霞が関(外)・代官町(内)●1号羽田線・空港西(上)●4号新宿線・新宿(上)・初台(下)・幡ヶ谷(上)●5号池袋線・一ツ橋(下)★・護国寺(上)●6号向島線・三郷線・浜町(上下)・加平〈南〉(上下)・加平〈北〉(上下)●9号深川線・木場(上)●10号晴海線・晴海(下)★●C2中央環状線・清新町(内)・四つ木(内)・四つ木(外)・王子北(外)・滝野川(内)★・高松(外)・初台南(内)・富ヶ谷(外)・中環大井南(外)●S1川口線・加賀(上)・安行(上)★●S2埼玉新都心線・さいたま見沼(上)●S5埼玉大宮線・浦和南(上)★●K1横羽線・横浜駅東口(下)●K3狩場線・新山下(上)・新山下(下)●湾岸線・新木場(西)・新木場(東)・大井(東)・磯子(東)
サポートレーンについても案内されている(中島洋平撮影)。
前田信弘社長によると、これら入口は「ETC利用率が高く、代替の入口が近いところ」を選んだといいます。一気に切り替えずに、まず3月に5か所で先行して、運用状況から必要な対応を検討するとのこと。 しかし、なかには代替の入口が大きく離れるケースも。たとえばC1の霞が関から3号渋谷線の下り方面へ向かう場合、現金車は「渋谷入口」まで迂回して利用するよう呼び掛けられています。 なお、ETC専用となる入口の料金所では、既存の「一般」レーンまたは「ETC/一般」レーンが、「サポート」「ETC/サポート」レーンに変わります。これは“誤進入”した現金車に対応するため。ただし、首都高のサポートレーンで現金は一切使用できず、後払い精算について案内するそうです。基本的に、ETC専用となる入口は「現金車は利用できない」とされています。 首都高のETC利用率は、全車平均で96.8%(2021年11月)に上っており、ETC専用化の推進は、この高いETC利用率を踏まえた措置です。4月1日から首都高の現金利用は、区間によらず普通車で1320円から1950円まで値上げされ、ますます現金利用が不利になります。 ただ、車種区分のなかでも「軽・二輪」はETC利用率が90.2%とやや低く、特に二輪車のETC普及率が四輪より低いことが伺えます。首都高をはじめ道路各社は、ETC車載器の助成キャンペーンも展開し、普及拡大に努める構えです。 首都高では今後、2025年度までに179ある料金所のうち9割を、2030年度頃には全ての料金所をETC専用にする予定です。これにより、道路状況に応じて機動的に変化する料金設定による混雑緩和、料金所収受員の人材確保が困難になるなかでの機能維持、感染症リスクの低減、などが図れるとしています。
乗りものニュース編集部