ほかの人をヴィデオチャットに招待するFaceTimeリンクの作成と共有も可能になり、このリンクはカレンダーにも追加できる。このリンクを受け取った人は、たとえAndroidスマートフォンやWindowsのノートPCからでも、「Google Chrome」や「Microsoft Edge」といったウェブブラウザー経由で通話に参加できる。その場合も通話はエンドツーエンドで暗号化される。
また、ヴィデオ通話の音がより自然に聞こえるようになる。FaceTimeは空間オーディオに対応し、グリッドヴュー上の位置に合わせて参加者の声を配置する。これにより、全員が同じ部屋にいるような感覚をつくり出す。
さらにマイクからの音声入力には、新たなオプションが追加される。音声を環境音と分離する「Voice Isolation」と、あらゆる音を拾う「Wide Spectrum」だ。前者は周囲のノイズをすべてカットし、発話者の音声だけを相手に届ける。後者は周囲の音をすべて拾う。
iPhoneの通知が多すぎて困惑したことがあったとしても、もうその心配はいらない。iOS 15では通知の外見が新しくなり、さらに新しい管理機能も導入される。メッセージには連絡先に登録した写真が表示され、アプリの通知ではアイコンが大きめになる。さらに、すべての通知を一時的にオフにできる新しい「おやすみモード」が登場する。
メッセージ機能でも「おやすみモード」をオンにできるようになり、その設定状況は会話相手の友達や家族からも確認できる。ただし、Slackの「おやすみモード」と同様に、どうしても連絡が必要な場合はメッセージを送れる仕様だ。
新機能「通知の要約」では、重要性の低いアラートを朝や夕方などの決まった時間にまとめてチェックできる。機械学習によってスマートフォンの使用パターンを特定し、どの通知を要約し、どの通知を直接伝えるべきかを解析する機能も用意される。メッセージや不在着信の通知がサマリーに入れられることはないので、不安に思わなくても大丈夫だ。なお、通知の要約を利用するには設定が必要になる。
おそらく最高の新機能は、気分に合わせてiPhoneのホーム画面全体を整理できることだろう。「仕事」「個人用」「就寝中」といった設定(最大10個まで作成できる)を選ぶと、それぞれのモードに合わせたアプリとウィジェットのみがホーム画面に表示される。
例えば朝9時に仕事を始めるときは、ホーム画面に仕事用のアプリとウィジェット、そして同僚からのメッセージのみを表示するようにホーム画面をカスタマイズできる。こうしたモードは、時間帯や特定の場所からの出発時や到着時、あるいはカレンダーに設定した予定に合わせてオンにできる。
また、設定によって表示されていないアプリであっても、「App ライブラリ」から起動できる。ホーム画面の設定は素早く切り替えることが可能だ。メッセージアプリでは、誰にもじゃまされたくないときに「集中モード」を設定して相手も状況を確認できるようになるが、この機能は興味深いことに「Status API」経由でどのメッセージアプリにも搭載できるという。
iOS 15で最もクールな機能のひとつが「Live Text」だろう。これはアップルのコンピューターヴィジョン技術の発展と結びついたものだ。文字が書かれているものにカメラを向けると、文字部分が強調表示され、簡単にほかのアプリにコピー&ペーストできる。