米国への移動中に知り合いのFacebook投稿で話題になっていたのだが、「こんなに優れたカメラ機能があるのなら、米国版を購入して日本に持ち込めば撮影時のシャッター音を消せないか」の検証も今回行ってみた。
かつてはシャッター音が鳴らない仕様ということで海外でiPhoneを購入して日本に持ち込むことが流行ったが、現在では日本国内で発行されたSIMでも海外渡航時に限り消音化できるようになっている。海外版iPhoneでも国内発行SIMとの組み合わせでは音が鳴るという話も一時あったが、まだ現在のところは大丈夫のようだ。
Androidでもこの傾向は出ており、具体的には昨年リリースされたAndroid 11以降はAOSPの時点で「日本または韓国発行のSIMを挿入した時点で、両国では強制的にシャッター音が鳴る」という仕様が盛り込まれており、海外端末を持ち込んでもシャッター音問題は回避できなくなったとされている。
一方で配慮もあり、たとえば筆者が持つ「Galaxy S20」はNTTドコモから購入して同社のネットワークで運用しているものだが、米国に到着した時点でメッセージが出てシャッター音が鳴らない仕様に変化する。
だが、たとえば米国で購入した端末に米国SIMを挿入して日本に持ち込めばシャッター音が一切鳴らないわけで、日本国内で静かな場所でシャッターを切りたいときなど、大音量で響く音とおさらばしたいというニーズはあるだろう。
米国版「Pixel 6 Pro」+Google Fiの組み合わせでシャッター音が鳴らないことは確実なので、今回は帰国後に一時的にドコモのSIMを挿入した状態でどうなるかをテストしてみた。
次にGoogle Fiの替わりにドコモSIMを挿入する。目に見える変化はGoogle Fiのときには出現していた「Camera sounds」の項目が消え、強制的にシャッター音が鳴るようになる。
なお興味深いのは、ドコモのSIMをGoogle Fiに戻した後にカメラの設定項目を再び確認すると、「Camera sounds」の項目が出現するのと同時に、「オン」の状態に戻っていることが分かる。
つまり、日本発行のSIMを挿入したときは「消音の項目自体を隠す」「項目自体は『オン』の状態にする」の2つが同時に起きていることになる。おそらくは「国内発行SIMが挿入されている」「国内のネットワークを掴む(あとおそらくは韓国も)」の2条件を満たしたときに、前述のスイッチが入るものと思われる。参考になったかは分からないが、海外版を購入してもシャッター音に変化はないので、製品に興味ある方は国内版を購入した方がいいという結論だ。
余談だが、米国で購入した特典として本来100ドルの値付けの「Pixel Buds A-Series」が無料サービスで付いてくるという話がある。日本帰国後にRedeem用のコードがついたメールが届いたので申し込もうとしたのだが、なんと日本からアクセスすると日本のストアページに強制リダイレクトされてコードが有効化できない。そこでGoogle Fiを使ってアクセスすると米国内のIPアドレスとなるため、今度は無事にリダイレクトされずにオーダーすることができた。とにもかくにも便利なので、米国版Pixel 6 Pro+Google Fiの組み合わせは当面手放せない。ただしGoogleからその直後に届いた発送予告メールを見ると、Pixel Buds A-Seriesの到着はなんと12月22~23日でクリスマス直前。やはり、これの受け取りのために来年1月にまたサンフランシスコを訪問するしかなさそうだ。
【お詫びと訂正】海外版iPhoneに日本国内発行のSIMを装着した際の挙動についての記述に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。