12月6日、早朝5時半。まだ薄暗い茨城県鹿島新港を出た第二十七桜井丸は、航程約50分をへてポイントに到着した。東の空が赤く焼け始めている。ヒラメ釣りなら置き竿を出したまま取材ができるので、私は最初から仕掛けを下ろすつもりでいた。「はい、いいですよ。水深は32m」船長のアナウンスで21本の仕掛けが一斉に下ろされる。私はカメラを抱えたまま糸フケを取り、底ダチを取り直した。そして、置き竿にするためにリールを1m巻こうとすると、ガツガツ、ガツガツ、といきなりアタリがきた。着底一発だ。慎重に竿先を下げながら、食い込みを待つ。ガツンと竿先が持っていかれた。頭上まで竿を上げ、大きく合わせを入れる。ズシッ!乗った!リールを巻くと、暴れるヒラメに高揚感が爆発する。ヒラメ釣りの至福の瞬間だ。仲乗りの清宮さんが、タモを海面に向けて待っていてくれる。海面に浮いたヒラメを竿で誘導してタモまで泳がせる。清宮さんが絶妙なタイミングですくい上げてくれた。船中1枚目のヒラメを手にしてうれしさのあまり、アタリを察知したときからタモから取り出すまでの一連のシーンを頭の中でもう一度反すうした。しかし、余韻に浸っている暇はなかった。このヒラメをオケに入れる暇すらなかった。その直後から、船上でヒラメの爆釣劇がスタートしたのだ。
当日は鹿島沖水深30m前後を横流しで狙った
早朝からアタリ活発
ヒラメ仕掛けを自作する場合、親子サルカンとハリスの接続はスナップサルカンを使うといいことがある。オマツリをほどくときにスナップサルカンを外せばほどきやすいし、また、食い逃げが増えてハリ先の甘さに不安を感じたときにハリスから先だけを交換できるので経済的でもある。ただし、スナップサルカンは強度のあるものを使おう。