写真:Impress Watch
「星のカービィ」シリーズの最新作「星のカービィ ディスカバリー」が、Nintendo Switchにて3月25日に発売される。敵を吸い込んでその力を身に付ける「コピー能力」を持った主人公カービィの新たな冒険の舞台は、シリーズ初となる3Dの世界だ。【この記事に関する別の画像を見る】 ゲームシステムが従来の2Dから3Dとなり、そのプレイフィールが一体どのように変わっているのか、そして本作で導入された「ほおばりヘンケイ」や「コピー能力進化」、「ワドルディの町」などの新システムがどんなものなのか、大いに気になるところだった。今回はそのファーストインプレッションとして、製品と同等のサンプル版の序盤を実際にプレイして、その感触や新システムなどについて触れてみたい。■ 吸い込みやホバリングなど、カービィのアクションを3Dのスタイルへと昇華 今回のカービィが冒険する舞台は、文明と自然が融合した「新世界」。不思議な嵐に巻き込まれてたどり着いたこの場所は、かつて存在したであろう文明が廃墟となって自然に覆われている。そこに現われるのは、動物の姿をした謎の「ビースト軍団」だ。巨大な渦に吸い込まれてこの世界にやってきたカービィは、さらわれてしまったワドルディ達を助ける冒険へと旅立っていく。 初の3Dアクションとなった本作だが、操作自体は実に快適で、シリーズ固有のアクションもちゃんと3Dスタイルへと昇華されている。ステージ上を縦横に移動し、ジャンプやホバリング、スライディング、敵を吸い込んでからの攻撃、シリーズ固有のアクションを駆使しながら進んでいくスタイルで、もちろん吸い込んだ敵の力をコピーして使う能力も健在だ。 またゲームが3Dとなったことで探索の要素も強まり、ステージに隠された様々なフィーチャーを見つけていくことも楽しみのひとつとなった。隠し通路はステージのあらゆるところに存在していて、「ここ怪しいかも!?」と思わせるところに巧妙に隠されている。単なる通路だけでなく、コピー能力やほおばりヘンケイなどを駆使して見つけられることもあり、その先には多くの場合、さらわれたワドルディが囚われている。ワドルディは拠点となる「ワドルディの町」(後述)を発展させてくれるだけでなく、ワールドのラストに君臨するボスのステージを開放してくれる役目もあるので、できる限りたくさん助け出しておくのがベストだ。 なおワドルディは、ステージのフィーチャーやギミックなどに関連する条件をクリアすることでも助けられるようになっている。各ステージに時間制限はなく、クリア後も繰り返しプレイができるので、最終的にステージに捕らえられたワドルディの全員救出を目指すプレイも楽しめるだろう。■ 進化させられる「コピー能力」と、ステージに落ちているものをほおばってヘンケイする「ほおばりヘンケイ」 カービィのコピー能力は、「カッター」、「ソード」、「ボム」、「ファイア」、「アイス」といったシリーズおなじみのものに加え、星の弾丸を撃ち出す「レンジャー」や、地面に潜って敵を回避できる「ドリル」などの新たな能力も追加された。また「ニードル」はウニのように全身にトゲを生やした状態で転がって敵を巻き込んで倒すなど、本作のゲームデザインに準じて効果が刷新されたものもある。さらにこれらのコピー能力は、道中で見つけられる「設計図」によって進化させることが可能となり、アクションのバリエーションがさらに広がっている。 そして今回の目玉である「ほおばりヘンケイ」についてだが、これはコピー能力とはまったく別の、ステージに置ちているアイテム(朽ちたオブジェクト等)にヘンケイする能力で、これらの物体を口の中にほおばることでカービィがその形になり、それに準じたアクションを行なえるというものだ。 PVなどでも見られる通り、ほおばりヘンケイをしたカービィの姿は実にユニークで楽しいのだが、その力を発揮したときのアクションはさらに面白いことになっている。例えば「くるま」や「ジェットコースター」なら、ヘンケイ後のアクションは容易に予想できるが、「わっか」や「アーチ」、「ロッカー」など、意外な形へのヘンケイはそのアクションも意外なものが多く、新しいアイテムを見つけるたびにワクワクさせてくれる。 序盤の数時間プレイしただけでもほおばりヘンケイは10種類以上が存在することを確認できる。これらはコピー能力とは違ってステージの世界観に準じたものが多く、この後の展開に合わせてさらにいろいろなものが登場することが予想される。 もうひとつ、本作の新要素となる「ワドルディの町」も紹介しよう。ここは各ステージで助け出したワドルディ達が集う場所で、その数が一定数を超えると発展して便利な施設が増えていくという、ちょっとした町作りの気分が味わえる冒険の拠点だ。コピー能力進化やアイテムの購入、ムービーの閲覧、サブゲーム、そしてカービィの家など、ゲーム本編とは別のお楽しみが少しずつ揃っていくのがいい感じだ。ゲーム本編でワドルディ達を救出するモチベーションにも繋がるゲームシステムで、何より癒しの空間として、冒険に疲れたら帰ってきたくなる場所としての存在価値が大きい。 ゲームの序盤は比較的優しい作りで、なおかつ難易度も設定でき、カメラも基本的に自動操作なので、よほどアクションゲームが苦手でない限り、楽しみながら進めることができるはず。その一方で、例えばワールドマップ上に出現する「トレジャーロード」などは、クリア自体は難しくないが、基準となる「もくひょうタイム」がかなりシビアに設定されていて、このクリアタイム短縮を目指すプレイは、腕に覚えのあるプレイヤーにとっては挑戦し甲斐のあるものとなるはず。各ステージのワドルディ全員の救出や、「コロシアム」でのボスとの連続バトルなど、やり込める要素もたくさんあるので、飽きずに楽しめるのではないだろうか。 3Dとなって新しいプレイフィールを得たこの「星のカービィ ディスカバリー」。今回紹介した要素の他にも、廃墟を舞台とした世界観作りや完成度の高いBGMなど、魅力はまだまだたくさんあり、そのあたりは発売後のレビューにて改めて触れようと考えている。発売日までもう少し日があるので、それまで期待を膨らませて待っていてほしい。© HAL Laboratory, Inc. / Nintendo
GAME Watch,稲元徹也