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(ファンドビルダー:韓国コラムニスト)
韓国では、例えば、李美子や趙容弼のような歌手を、よく「国民歌手」と呼ぶ。それだけ大衆から愛されているということだ。俳優の場合は「国民俳優」となる。おやつの場合は「国民おやつ」だ。さらには「国民の妹」というものもある。それならば、「国民犯罪」というものも成立するだろうか。もし韓国人が着実に楽しむ(?)特定の犯罪が存在するならば、「国民犯罪」というものも成立するはずである。
多くの韓国人(主に男性)が、今この瞬間もどこかで盗撮を楽しんでいる。そう、盗撮こそ韓国の「国民犯罪」なのだ。なに、ちょっと言い過ぎではないかと? この記事を最後まで読めば、盗撮が韓国の国民犯罪だというタイトルが、決して誇張ではないということが分かるだろう。韓国人の盗撮は世界最高で、他の追従を許さないのだ。
2021年6月16日、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、韓国のデジタル性犯罪に関する報告書を発表した。『私の人生はあなたのポルノではない(My Life is Not Your Porn)』というタイトルの報告書で、作成したヘザー・バー(Heather Barr、女性権利局共同ディレクター)氏は、韓国メディアとのインタビューでこのように述べた。
「公衆トイレや脱衣所などでの『盗撮』が流行しているところは、全世界で韓国が唯一だ。その映像物を売買する市場が形成されている国も、韓国を除いては見たことがない」
【参考資料】◎『私の人生はあなたのポルノではない(My Life is Not Your Porn)』(https://www.hrw.org/sites/default/files/media_2021/06/southkorea0621_web_1_0.pdf)
海外メディアは以前から韓国の盗撮に関して指摘している。2019年に米CNNは、韓国のモーテルに設置された隠しカメラを通じ、宿泊客の一挙一動が海外で生中継された事件を報道した。英国の大手紙ガーディアンは「韓国での盗撮犯罪は伝染病と同じだ」と批判し、英BBCは「韓国では、階段や歩道で、女性のスカートの中をこっそり撮影することが横行している」と指摘した。
ここ最近の1カ月間だけ調べてみよう。例えば、2021年10月2日に、韓国メディアで報道された盗撮犯罪記事の主要内容はこうだ。
ソウルの公衆トイレで、携帯電話で盗撮した20代男性が、性暴力犯罪に関する特例法違反の容疑で立件され、調査を受けている。男性は数日前、公衆トイレ内で、40代女性のいる個室の仕切り板の下から携帯電話を押込み、排泄行為を撮影した容疑がかけられている。男性の携帯電話には、女性のあらわなプライバシー姿を撮影した映像ファイルが数百本、保存されていた。
10月3日にも盗撮犯罪が報道された。
年末に結婚する予定の新婦がソウル江北警察署から連絡を受けた。「あなたが犯罪の被害者のようです。某病院で診察を受けたことがありますか?」。新婦はすぐさま警察署に出向き、病院の診療室で聴診器による診療を受ける自身の姿が撮影された動画を確認し、顔を引きつらせた。
新婦は、「その医師からは、2回聴診器での診察を受けたが、つねに服をもっと上に上げるよう要求され、『大きく息をして』と言っては、聴診器を胸に何度も密着させた。本当に不快だった」と語った。医師の携帯電話には、聴診器で診察を受ける女性の姿が撮影された映像ファイルが多数貯蔵されていた。
10月6日にはこのように報道された。
ソウル西部地方検察庁は、30代教師A氏を、児童青少年性保護に関する特別法違反容疑で拘束したと発表した。A氏は、高等学校の女性教職員用トイレに隠しカメラを設置して女性を撮影。さらには、自宅押収捜索によって、女子生徒寮での盗撮映像も多数発見された。A氏が盗撮した映像ファイルは総計660本で、被害者は116人に達した。
10月11日にはこういう報道があった。
有名レギンス衣類会社役員の元運転手が、「役員から盗撮しろという不当な指示を受けた」と告発した。彼は、「その役員は私に、ルームサロンで仕事をする女性の姿を撮影しろと指示した。無音で撮影する方法まで教えて指示した」と述べた。
10月12日の記事はこうだ。
2018年にシンガポールで開かれた米朝首脳会談の関連行事で、通訳を引き受けた韓国人男性が、シンガポールの女子トイレに隠しカメラを設置した容疑で、シンガポール当局から22週間の懲役刑の宣告を受けた。
シンガポール永住権所持者である男性(28才)は、2月に超小型カメラを女子トイレに設置。トイレを利用した女性が隠しカメラを発見し、カメラのメモリーカードには女性がトイレを利用する姿とこの男性がカメラを設置した場面が映っていた。
シンガポール警察は、男性のノートブックを押収して調査したが、約180本の猥褻映像と女性のスカートの中を撮影した動画約30本が保存されていた。男性は、幼少時に父母とともにシンガポールに移住し、永住権取得後、海岸警察に勤務していた。男性は、2013年から女性のスカートの中を撮影していたと告白している。
同日、こういう報道もあった。
慶尚南道昌原の高等学校で、教師が携帯電話で女生徒のスカートの中を撮影したという告訴状が受理され、警察が捜査している。警察によれば、該当教師は、不自然な格好で携帯電話を手に持ち、女生徒と面談を行っていて、以前から学生の間で盗撮の噂が広まっていたという。該当教師の携帯電話とコンピュータには、約170本の盗撮映像ファイルが確認された。警察は該当教師の余罪の有無を調査している。
10月14日にはこういう報道があった。
京畿道のモーテルの全客室に、隠しカメラが設置されていたことが発覚した。警察庁サイバー捜査隊は、性暴力処罰法違反容疑で犯人4人を拘束した。犯人たちは、レンズの直径が1mmにも満たない隠しカメラを、各客室内のコンピュータモニターに設置していた。
隠しカメラの設置は、モーテル職員を買収して行ったという。6カ月以上にわたり盗撮し、さらには金品略奪のために、宿泊客に対して映像を流布すると脅迫したこともあった。被害者は数百名に達すると分かった。
10月15にはこういう報道があった。
済州島の公衆トイレで、携帯電話で女性をこっそり撮影し、強姦しようとした30代男性に、12年の懲役刑が求刑された。
男性は、6月に済州島の海水浴場の女子トイレに侵入し、排泄行為中の女性を撮影しようとしたが失敗。腹いせに、トイレから立ち去ろうとする女性を強姦する目的で暴行したが、女性の強い抵抗にあい、犯行は未遂に終わり、男性は警察に逮捕された。男性は法廷で「自殺を決心した状態で、一度そんなことをやってみたかった」というあきれた弁解をした。
10月19日にはこういう報道があった。
ソウル市内を歩き回り、女性を盗撮していた20代男性が拘束された。男性は、6月中旬以後、スポーツバッグの中に携帯電話を装着し、龍山のショッピングモールやコンビニなどを歩き回っては、女性の下半身を撮影した容疑がかけられている。男性の携帯電話には、盗撮した映像ファイル数百本が発見され、被害女性は200人以上だった。
10月20日にはこういう報道があった。京畿道龍仁の高等学校で、男子学生が女子学生の身体の一部をこっそり撮影したという申告があった。警察は、該当男子学生を、性的目的による公共場所侵入容疑で立件した。男子学生(19才)は、盗撮する目的で、学校の女子トイレにこっそり隠れていたが、女子学生に見つかり犯行が発覚した。警察は男子学生の余罪の有無を追及している。
10月25日にはこういう報道があった。
青瓦台の国民請願掲示板に、「男湯盗撮事件に関して厳重な処罰を求めます」という題目の請願が上がった。請願人は、「男子銭湯を不法に撮影し、動画をSNSに流布させた犯罪者を処罰してください。不法撮影動画には幼い子供の姿も出てきます。加害者は、青少年性保護に関する法律まで違反しています」という内容であった。SNSには、男性器を示す隠語で「唐辛子パーティー」というハッシュタグまでついていた。
10月27日にはこういう報道があった。
ソウル麻浦区の合井駅勤務の20代社会服務要員(軍入隊の代替)が、地下鉄駅のエスカレーターを上り下りしながら、女性のスカートの中を撮影していたことが現場で発覚し、性暴力犯罪に関する特例法違反容疑で警察の取り調べを受けている。該当男性は、エスカレーターに乗って移動する女性の背後に立ち、携帯電話でスカートの中を撮影しているところを、被害女性の申告で警察に逮捕された。
10月28日にはこういう報道があった。
建物の屋上に上がり、望遠鏡レンズを取り付けた携帯電話で、隣近住宅の女性を撮影していた、30代男性が逮捕された。男性は主に夜、ソウル江西区の13階建ての建物の屋上に上がり、周辺の明かりのついた住宅内にいる女性を盗撮していた。男性の携帯電話には、寝巻きや下着姿、それに全裸の女性を多数撮影した映像物があり、警察は余罪の有無を追及している。
10月31日にはこういう報道があった。
119救助隊員がSNSを通じて、こっそり撮影した女性の写真を共有し、下ネタのやりとりをしていたという事実が発覚した。119救助隊の某チーム長は、女性の後ろ姿を撮影した映像をSNSに上げ、同僚間で共有し、該当写真に関連した露骨な下ネタを投稿していた。ある119隊員の夫人が、この事実を発見し、国家権益委員会と国家人権委員会に申告したことによって露見した。
11月1日にはこういう報道があった。
江原道のモーテルの主人である60代男性が、客室に隠しカメラを設置し撮影して警察に捕まった。客室のTV台の取っ手付近に小さい穴をあけ撮影していた。数カ月間盗撮し、約100本の映像ファイルを貯蔵していたことが分かった。
同じ11月1日にこういう報道もあった。
京畿道安養の小学校校長が女性教師のトイレに置かれた箱ティッシュに超小型カメラを設置して撮影していたところを発覚した。隠しカメラを発見した女性教師が警察に通報しようと校長に建議したが、校長は「どうせ通報しても犯人は捕まえられない。犯人は学生かもしれないから、黙って見過ごそう」と犯行を隠そうとした。
警察の取り調べの結果、校長の携帯電話には女性の身体を撮影した動画が10点余り保管されていた。校長は犯行を自供した。警察は、証拠隠滅および逃走の恐れがあるという理由で校長を10月30日緊急逮捕し、拘束した。
たった1カ月間(10月2日〜11月1日)で、16件も盗撮犯罪の報道が登場した。2日に1回の割合である。これはもう事実上、年中無休といえよう。量的にはまったく問題ない。医師、教師、会社員、海外居住者、高校生、社会服務要員、119救助隊員、モーテル主人、学校の校長など、多様な職業の人々が楽しんでいるという事実。さらに、10代から60代まで、全年齢層が楽しんでいる。同期間の報道には登場しなかったが、教授、大学生、弁護士、国会の職員、芸能人なども楽しんでいる。
ここまでくれば、盗撮が韓国の「国民犯罪」であるということが、完全に証明されたといえるだろう。韓国人の多くは、日本がまだ印鑑やFAXなどを使っているという理由で、日本に向かって「IT後進国!」と嘲笑する。だが、印鑑やFAXをいくらたくさん使っても、他人に被害が出ることはない。反対に、「IT先進国」を自認する韓国は、IT技術を悪用してこのような犯罪を犯すことによって、多くの人々に被害を及ぼしている。
韓国人にとしては、日本を嘲笑するよりも、自国内の醜悪な盗撮犯罪を一掃し、「国民犯罪」という汚名から抜け出すことこそが、緊急課題なのではなかろうか。
筆者:ファンドビルダー