僕は元気です。
現実世界の皆さま、いかがおすごしでしょうか。僕は仮想現実に生活を移してから早2カ月が経ちました。というのも、10月13日(木)に発売されたPlayStation VRを当日に手に入れたんです。ただ、こんな僕でも現実にいた頃はVRに対して半信半疑でした。
「たかが機械で俺の人生のなにが変わるんだよ」 変わりました。
いまの僕は、2050年の世で働くオフィスワーカーであり、宇宙を舞台に戦う戦士であり、現実では果たせなかった女子校生との青春も味わっているのです。そんな僕の生活の一部始終をご紹介します。
朝、目が覚めたらまずは『バイオハザード7』のデモ。眠気覚ましにはぴったりです。
朝から家の中を歩き回ったり、謎を解いたり、体と脳を動かすので健康にはいいはず。恐怖で寿命が縮まることもあるのでプラマイゼロかもしれませんけどね。
あと、ベイカー家の食卓にあるご飯はめちゃくちゃまずそうなので手をつける気にはなりません。
頭がすっきりしたら午前中は仕事です。一応社会人なので。
『Job Simulater』では、2050年の世でロボットに囲まれながら仕事をします。オフィスワーク、レストラン、自動車整備場、コンビニの中からどの仕事をするか選ぶスタイルなので、毎日仕事を変えても大丈夫。1つの仕事に人生を捧げるのはやっぱり飽きちゃいますからね。
ちなみに上司も部下もお客さんも全員ロボット。たまに腹が立って上司にものを投げつける時もありますが、特に怒ってくる様子もないのでホワイト企業なのでしょう。
午後は『サマーレッスン』で女子校生の家庭教師です。
午前中はわりとハードな仕事だったので女子校生との交流は癒しにもなりますね。が、やはりこれも仕事なので気を抜かないようにはしています。
僕の生徒はひかりちゃんていう名前です。可愛らしくていい子です。僕が顔を近づけると怪訝な表情になるあたり、育ちはいいのでしょう。
授業は自分で進め方が決められて、最後にはひかりちゃんの満足具合で評価されます。モテ男の友人が家庭教師をした時は「たいへんよくできました」なのに、自分がやると「がんばりましょう」だった時は膝から崩れ落ちました。仮想現実でも自分は自分なんだと…。
でも諦めてはいません。回数を重ねれば重ねるほど、重ねれば重ねるほどです。
ひかりちゃんとの交流を経て、僕にはある想いがうまれました。そう、「彼女を守りたい」と。ただ、いまの軟弱な僕では到底彼女を守ることはできません。ならば、鍛えねば。強い男にならねば!
ということで、僕は『Star Wars™ バトルフロント™: X-Wing VR Mission』で反乱軍に参加して、帝国軍と戦っています。すべては希望(ひかりちゃんに好意を持ってもらう)のために。
それにしてもスター・デストロイヤーのでかさにはビビりましたね。最初は何度も死にましたが、すぐに復活できます。次第にTIEファイターの動きも読めてくるんですが、これはフォースの力かなあと。
戦いの後は脳を休めないといけません。僕の日課は、『バウンド:王国の欠片』で芸術をたしなむこと。だがしかし、ただ芸術を嗜んでるだけじゃないんですよ。驚きの展開があるんです。
なんと、僕が女性になるんです! しかも王国の「姫」! そう、一般家庭で育った僕は姫として強大な力に立ち向かっています。また驚きなのが、終始ダンスを彷彿とさせる動きで進んでいくんです。運動音痴の僕がこんなにしなやかな動きができるとは思いませんでした。
周りの景色も壮観です。芸術の海に飲み込まれるというような感じです。
さて、そろそろおネムの時間。良き眠りのために『Thumper』でリズムを刻みましょう。
ここでは私は虫っぽい生き物として、これまたアートな世界でリズムを刻みます。虫になるとしても、こんなにかっこいい虫なら大歓迎ですね。イケムシです。
眠れるか眠れないかはあなた次第。
眠れませんでした。なので再びです。
現実世界のみなさま、いかがだったでしょうか。
仕事はきっちりとこなし、勇敢で知的、運動神経抜群、そして愛のある男、それが現在の僕です。2016年はVR元年、つまりVRの始まりの年でした。Oculus Rift、HTC Vive、PlayStation VRと主要なVR製品が発売され話題になりましたが、まだまだ始まりにすぎません。重要なのはVRが発売されたことではなくて、VRでどんな体験をするかだと思うんです。
冒険家になれるかもしれないし、ヒーローになれるかもしれない、逆に女子校生にだってなれるかもしれません。
今年はまだ役者が揃っただけ。来年はこの役者たちとともにどんな体験をするかの選択肢が増える年になるのではないでしょうか。
確かにまだVRを生活に取り入れるには、値段の高さやコンテンツの少なさなどのハードルがあるとは思います。しかしVRがゲームだけでなく、音楽、映画など、さまざまな形での活用が広く認知されることで、今後このハードルはどんどん下がっていくでしょう。
VRはあなたに力、そして人生を与えます。いまは全く興味がないという方でもこれだけは忘れないで下さい。
「VRはいつでもあなたを受け入れてくれる」
現実世界の皆さん、いつか仮想現実でお会いできることを楽しみにしています。
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(King Yoshioka)