「Gear VR」は、スマートフォンの世界シェアNo.1を誇るSumsungと、PC向けのVRシステムOculus Riftで知られるOculusの共同開発により生まれたスマホ用VRゴーグル。
多くのスマホ用VRゴーグルとは違い、Galaxyシリーズ(S6/S6 edge/S7/S7 edgeなど)専用に設計されており、対応スマホを用いいることでワンランク上の没入感でVR体験をできる製品だ。
NTT docomoのGalaxy S7 edge購入キャンペーンにおいて、発売日前に予約した際の特典でもあり、その発送が7月中旬から順次始まる予定だ。
KDDIからは、au Online Shopにて、アメコミヒーローのバットマンをモチーフにした「Galaxy S7 edge Injustice Edition」が100台限定で販売された。
同梱されるGear VRも、バットマンを連想させるブラック仕様となっており、コレクター心をくすぐる商品だ。
バットマンのロゴが入ったS7 edgeとブラック仕様のGear VR。通常のホワイトボディとは、だいぶ印象が異なる。販売開始後わずか約3分で完売してしまうほどの人気だった
ゴーグル本体の接続部には、microUSB端子が備え付けられている。これによって、Gear VR本体に内蔵されているセンサー各種の動作を実現しており、他のゴーグルとの大きな差別化が図られている。
本体の構造は、Galaxyシリーズ専用に設計されている。S7 edgeがUSB Type-Cを採用しなかったのは、Gear VRへの対応という側面もあるのかもしれない
本体右側面には、上下左右への操作を可能にするタッチパッド、戻るボタン、音量ボタンを完備。装着したまま、アプリの切り替えや音量の上げ下げをすることができる
専用設計ということもあり、Galaxy S6 edge/S7 edgeを装着した際の安定度は抜群。頭を激しく動かしても、端末が外れることはまずないといえる。
両サイドのツメでがっちり固定。固定位置もぶれることがないため、他のゴーグルのように、毎回細かな位置調整をする必要がない
端末を接続すると、専用ホーム画面「Oculus Home」が起動し、インストールしたVRアプリの起動や、Oculusストアの閲覧、アプリのインストールなどを、Gear VRを装着したまま行うことができる。
アプリの切り替えなどを行うたびに、ゴーグルからスマホを取り出して操作しなくてはならない他のゴーグルとは違い、VR体験に関するすべてを装着したまま実行することが可能だ。
Oculus Homeの画面。中央のポインタと本体側面のタッチパッドを組み合わせることで、直感的な操作でコンテンツにアクセスできる
上記のとおり、対応しているGalaxyシリーズを接続すると、Oculus Homeが自動的に立ち上がるが、非対応のAndroid端末を接続した場合、端末の画面に何の変化もなく、VRコンテンツを楽しむことはできない。
Xperia Z5 Premiumを無理やり接続してみたところ、当然ながら何の変化もなし。サイズが大きく、固定できないため、PlayストアのVRアプリを無理やり楽しむこともできない
そもそも、形状がGalaxy専用に設計されているため、サイズやmicroUSB端子の位置がまちまちなAndroid端末をGear VR本体に固定することは困難だ。
Nexus 6にいたっては、microUSB端子の向きがGalaxyとは逆なので、ディスプレイが外側を向いてしまう
Galaxy以外のAndroidユーザーは、おとなしく他のVRゴーグルを購入しよう。
製品名 | Gear VR |
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価格 | 14,860円(税込) |
重量(本体のみ・フロントカバーなし) | 約285.0g |
重量(S6 edge装着時) | 約416.5g |
重量(S7 edge装着時) | 約443.5g |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 約92.6×201.9×116.4mm |
対応端末 | Galaxy S6/S6 edge/S6 edge+/S7/S7 edge/Note 5 |
搭載センサー | 加速度センサー/ジャイロセンサー/近接センサー |
視野角 | 96° |
アプリのインストールはごく簡単で、Oculusストアから行う。Oculus Homeのストアボタンをタップして、ストアに移動しよう。
アプリが多数表示されるので、インストールしたいものを選択しよう。
他のストアと同様にセールが実施されることもあるので、こまめに覗くといいだろう。なお、支払い方法はクレジットカードのみとなっている
Gear VR右側面の戻るボタン長押しで、いつでも開くことができるユニバーサルメニュー画面の、「ユーティリティ」を開くと、スクリーンショットと録画開始のボタンが表示される。
Gear VR標準の機能として、スクリーンショットと動画を撮影可能。こちらの写真は、ユニバーサル画面自体は撮影できないため、レンズ越しに無理やり写真を撮影したもの
ここで、「スクリーンショット」を選択すると、メニューを開く直前の画面に戻り、約5秒後に撮影がされる。
「録画」は、タップした瞬間に撮影が始まり、終了したいタイミングで戻るボタンを押せば完了だ。
撮影したスクリーンショットと動画は、端末内の「Oculus」フォルダ内の「Screenshots」フォルダ、および「VideoShot」フォルダへ保存される
Gear VRをしばらく使用していると、スクリーンの表示がずれる場面に遭遇することは珍しくない。
そこで利用するのが、ユニバーサルメニュー内の「設定」にある「画面位置の再調整」。斜めになってしまった画面をいつでも水平に調整することが可能だ。
ユニバーサルメニューはいつでも開けるため、少しでも見え方がおかしいと感じたら、設定から画面の位置を調整できる
本機のピント調節は、上面に設置されているダイヤルで行う。これを回すことによって、レンズと端末のディスプレイ間の距離が変化し、見え方を調節できる。
0.1程度の視力なら、裸眼でもダイヤルを調節すればくっきりとコンテンツを見ることができる。ちなみに、顔と接する部分は広く設計されているため、眼鏡をかけたままの装着も可能だ
なお、レンズ間の距離は調節できないが、端末側でGear VRのレンズ間距離に適した画面を表示してくれるため問題ない。
スマートフォン向けの定番ランニングゲームのVR対応版。自分が走っている視点でプレイでき、怪物から逃げる緊迫感が味わえるゲームとなっている。
さまざまな障害物を、ジャンプやスライディングで乗り越えていくランニングゲーム。人によっては酔ってしまうかもしれないので、適度に休みながらのプレイを推奨したい
後ろを振り向くと追手の姿が。基本的に前を向いていないといけないゲーム性だが、360度を見渡せるVRゲームとしての作りこみも感じられる
操作はGear VRのタッチパッドですることができ、ゲームパッドを用意しなくても十分楽しむことが可能だ。
スマホ向けRPGとして定番タイトル『白猫プロジェクト』のVR版も配信中。
本編と異なるのは、ガチャなどの課金要素がなく、ステージをクリアしていくとキャラクターが仲間になっていくところ。
Gear VRのタッチパッドの他に、他の端末をコントローラーにするアプリ「colopad」や、ゲームパッドでの操作に対応している。
俯瞰視点で見る白猫キャラクターたちの姿は新鮮。colopadを使えば、本編の白猫と同じような操作感でプレイできる
こちらは、とにかくVR感が味わいたい、という人におすすめのスペースシューティングゲーム。
リアルなグラフィックとサウンドによって、実際に宇宙船に乗っているかのような浮遊感を感じることができる。
コックピットにいるような視点でプレイでき、気分はパイロット。有料アプリだが、それも納得できるほど作りこまれている
なお、操作にはゲームパッドが必須。Oculusストアでは、本作のようにゲームパッドが必要となるゲームが多く配信されているので、持っていない場合は注意が必要だ。
ストアの情報欄に、ゲームパッドなどの追加機器が必要かどうかが記載されている。アプリを購入する際は、よく確認しよう
Jaunt VRは、Google PlayやApp Storeでも配信されている映像コンテンツプラットフォーム。英語のコンテンツがほとんどだが、ジャンルが豊富で英語が聞き取れなくても楽しめるものばかり。
Jauntのホーム画面。スポーツや音楽、アニメーションなど、多種多様のジャンルが取り揃えられている
VRはホラーやパニック系のコンテンツと相性抜群。感情移入どころか、その場にいるような感覚なので、思わず目をつむってしまいたくなる
すべて無料で視聴できるので、とりあえずVRで360度映像を見てみたいという人にうってつけのアプリだ。
Oculusストアの豊富なコンテンツが魅力なGear VRだが、Google Playで配信されているCardboard用アプリにも豊富なものが多く存在する。
通常ならGear VRを使ってこれらのアプリは利用できないが、端末を接続したときに動作する「Gear VR Service」を強制的に停止させることで、立ち上げることが可能になる。
Gear VR Serviceを停止させるには、アプリの起動を制限するアプリを使う必要があるが、今回筆者が使用したのは、「CB Enabler for Gear VR」。
これは、Gear VR Serviceの起動を制限することだけに特化したアプリで、Gear VRモードとCardboardモードをワンタップで切り替えられるもの。
画面のイラストをタップするだけで、どちらを利用するか選択できる。Cardboardを選択した状態でGear VRに接続しても、Oculus Homeが立ち上がらず、他のアプリを楽しむことができる
99円(記事執筆時)と有料だが、VRゴーグルをもう1つ買うよりはコストを抑えることができるので、Cardboard用アプリも楽しみたいという場合は購入することをおすすめする。
上記の方法の他に、端末を接続しないで利用する力技も存在。
Gear VRのmicroUSB端子側のツメを押し上げて、できた隙間に端末を挟み込めば、端末を接続せずに装着することができる。
しかし、通常の使用方法より、端末を支える安定感がなく、外れてしまうことが頻発する。手で支えたり、テープで固定するなどの工夫が必要だ。
写真のような状態でセットすれば、Oculus Homeを回避できる。端末が外れやすいことに加え、Gear VRのタッチパッドが動作しないこともデメリットだ
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