外形寸法は69.2×102.2×23.4mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約230gと、ポータブルアンプの中でも小型だ。特にバランス駆動対応のモデルでこのサイズはなかなか魅力的。
デザインは“黒い四角い箱”で良くも悪くも地味だ。アンプの存在をあまり主張したくないという人や、この“無骨さ”が良いという人もいるだろう。個人的にはもう少しデザイン性が欲しいと感じる。しかし、筐体やボリュームつまみは金属製なので触ってみると質感は高い。
連携できる相手は豊富だ。大きく分けて、Windows/Macなどと接続する「USB DACモード」、Ligntning-USBケーブルや30pin-USBケーブルで接続したiPhoneやiPodからのデジタルオーディオ出力を再生する「iPod互換モード」を備えている。
前述のようにUSB DACモードでは、384kHz/24bitまでのPCM、5.6/2.8MHzのDSDファイルにも対応、DSDのネイティブ再生(DoP)にも対応する。実際に、Windows 7のPCと接続し、foobar2000を使ってPCMやDSDのハイレゾファイルを再生したところ、問題なく音が出た。
ディスプレイは備えていないが、背面にインジケーターがあり、PCMのデータを受けていれば緑に、DSDデータであれば赤く光る。
USB B端子がPC接続用。左端にあるUSB A端子はiPod接続用だ。Ligntning-USBケーブルや30pin-USBケーブルでiPhoneと接続すると、48kHz/16bitまでの再生となる。iPhoneからハイレゾデータを再生する場合は、後述するカメラコネクションキットを介して、PC用の入力端子に接続する必要がある。
オンキヨーのハイレゾ再生アプリ「HF Prayer」をインストールしたiPhoneを用意。カメラコネクションキットを介してアンプとUSB接続し、192kHz/24bitのPCMや、DSDファイルを再生したところ、問題なく音が出た。PCの代わりにiPhone+HF Prayerを使っているようなイメージで、iPhoneの標準音楽アプリではハイレゾ再生はできないので注意が必要だ。
さらに、ウォークマンとの接続にも対応している。ウォークマンには周辺機器として、ハイレゾオーディオ出力ケーブル「WMC-NWH10」が用意されている。NW-F880に、このケーブルを介して接続する事で、DACにデジタルデータでの伝送が可能。REX-KEB02iPからキッチリ音が出た。
なお、USB DACモードとiPodモードの切替は背面のスイッチで行なうが、USB DACモードにはバスパワーで電源供給する「USB-BPモード」と、内蔵バッテリで動作する「USB-BTモード」が用意されている。
パソコンとの接続時にはUSB-BPモードとUSB-BTモードが両方使用できる。iPad+カメラコネクションキットやウォークマンのハイレゾ出力用USBケーブル利用時にはUSB-BTモードを利用する形だ。
DACはESS製の「ES9018K2M」が採用されている。高速クロック(80MHz)からマスタークロックの生成と、リクロックによるオーディオ入力のジッタ除去が特徴。さらに、内部には2個の独立した高精度水晶発振モジュール(22.5792MHz/24.576MHz)も搭載。USBから入力されたデータをI2S信号へ変換し、DAC部に供給している。
なお、「ES9018K2M」のデジタルフィルタ切り替えスイッチも用意されている。ユーザーが好みに合わせてシャープ/スローの設定変更が可能だ。