本機の特徴は、いわゆる「カムコーダ」のような一体型ではなく、ボディ本体に必要なアクセサリをくっつけてカムコーダになるというところである。ボディ単体は単なる四角い箱で、レンズを付ければ最小限これでも動く。車載やドローン搭載などは、この最低限パターンで行くわけだ。本体のみの重量は890g。
それにハンドルやグリップ、モニターを付けると、いわゆるカムコーダタイプの撮影が可能になる。モニターも前方左側だけでなく、グリップやボディの後部、左右どちらにも付けられるなど、撮影スタイルに応じて様々なパターンが可能だ。
秀逸なのは、グリップの形状であろう。デジタル一眼のグリップしか握ったことがない人も多いと思うが、非常にオーガニックな形状で握りやすく、力が入りやすい。また角度も自由に変えられるので、手持ちローアングルやハイアングルの際にも手首に負担がかからない。ボディのグリップ側は排気口が大きく空けられており、長時間撮影にも十分対応できる作りだ。
マウントはEマウントで、α用レンズ57本が自由に選択できる。センサーはもちろん裏面照射型CMOSセンサー Exmor Rの35mmフルサイズで、総画素数約1,290万画素、有効画素数約1,026万画素。627点の像面位相差AFとなっている。
αのようなデジタル一眼と大きく違うのは、NDフィルタが内蔵されているところだ。通常は3段階ぐらいのロータリーフィルタが内蔵されるところだが、本機にはソニーが開発した「バリアブルNDフィルタ」が搭載されている。
このバリアブルNDフィルタ、液晶パネルの透過率を可変させることで、無段階にND調整ができる。公には2014年のXDCAM「PXW-X180」で搭載されたというのが通説だが、実はその2年前のコンパクトデジカメ「DSC-TX300V」でも機構的には同じものが搭載されている。ただこのときは完全バリアブルではなく、ある程度の決め打ちで動いていたので、気がつかない人が多かっただろう。
近年でバリアブルND搭載機というと、PXW-FS5 IIやPXW-FS7 IIがある、やはりハンディもしくはショルダー型の機動性重視モデルに搭載される傾向がある。
画像処理エンジンはα7S IIIと同じBIONZ XR。記録コーデックはXAVC-IおよびXAVC-Lで、解像度は最高でDCI 4Kの4,096×2,160となる。
カメラ出力としてはHDMIと12G SDI。タイムコードは入出力切替で両方に対応する。USBはType-CとMicro-Bの2つ。ハンドル部にはXLR音声入力が2系統あり、マイク他LINE入力に対応する。ハンドル部には内蔵マイクもあり、外部入力と合わせて4chの収録が可能だ。
記録メディアはデュアルスロットになっており、両方ともCFexpress Type A メモリーカードとSDXCメモリーカードに対応する。デュアル記録やリレー記録も可能だ。
は、フルサイズ24mm~105mm/F4通しの約4.3倍光学ズームレンズ。レンズ内手ブレ補正には対応するが、電動ズームレンズではないので、カメラ側のロッカー操作では動作しない。