NTTドコモの「らくらくスマートフォン」(以下「らくスマ」)シリーズといえば、比較的高年齢層に特化した、個性的なスマホという印象が強い。巨大なタイル状のボタンが画面に表示され、誤入力の可能性を極力排除し、機能も基本的なものに絞って使いやすさを前面に押している――そんな感じだ。
従来のらくスマでも、ケータイ(フィーチャーフォン)と比べると「LINE」のほぼ全機能を使えたり、タッチ操作ができたり(ケータイでも対応機種はあったが)と、スマホらしい面はあった。しかし、「Google Play」を利用できないため、世に存在するたくさんのアプリを自由にインストールすることはできなかった。もっといえば、Androidで使えるはずの各種Googleアプリも使えなかった。。ある意味で、「アプリによるカスタマイズ」というスマホ最大の醍醐味(だいごみ)を味わえなかったのだ。
操作しやすさを保ちつつ、世にあるアプリを自由に使えるらくスマが欲しい――ドコモとメーカーの富士通コネクテッドテクノロジーズがその願いに応えて作ったのが、「らくらくスマートフォン4 F-04J」だ。
F-04Jは、従来のらくスマの使いやすさを継承しつつ、Google Playにも対応。「普通のAndroidスマートフォン」としても使えるようになったのだ。
これは、従来らくスマがターゲットとしていたシニアだけではなく、もっと若い世代のユーザーでも満足して使えるようになった……はず。そこで、やや強引な展開ながら、一応「スマートフォンに慣れ親しんでいる30代男性」たる筆者が、F-04Jを1週間好き勝手に使ってみることにした。
まず、最初はカスタマイズせずにそのまま使ってみることにした。
最近は、比較的低価格な「格安スマホ」も含めて、Androidスマホはラインアップが多彩だ。それだけに、各機種がそれぞれに個性を訴求している。
しかし、その中でらくスマほどの“個性派”は筆者の知る限り存在しない。今までも、筆者はらくスマシリーズにそれなりに触れ、予備知識がある。それでも、触るたびに改めてその独自性にハマり、新鮮さを感じてしまうのだ。
その最新作であるF-04Jも例外ではない。スマホで5型以上の画面サイズが当たり前になり、5.5型画面も珍しくない状況の中、F-04Jの画面サイズは4.5型と小さい。その画面いっぱいに、大きな文字やアイコンが並ぶ。
これがとっても見やすい。標準のホーム画面の操作は上下スクロールだけで、操作も分かりやすい。
タッチ操作はすこぶる軽快。スクロールは滑らかだ。出荷時の状態では、誤操作防止対策として「らくらくタッチ」が有効になっている。そのため、画面を軽く押し込まないとタップしたとは見なされないようになっている。
プリインストールの文字入力ソフト「Super ATOK ULTIAS for らくらく」も、らくらくタッチ対応だ。スマホの文字入力では一般的な「フリック入力」にはあえて対応しておらず、ケータイと同じような「トグル入力」が標準入力スタイルとなる。これも、誤操作防止対策だ。
丸みを帯びたボディは自然と手にフィットする。握りやすく落としにくい。片手操作も無理なく、最近の四角く、薄めで、大画面な両手操作前提のスマホに不満がある人(筆者も含む)にとっては、「コレだよ、コレ!」と言いたくなるぐらいにピッタリだ。
標準のホーム画面「らくらくホーム」は、従来のらくスマと同様だが、本体設定でホーム画面を「アプリ追加用ホーム」に変更すると、Google Playでアプリが追加できるようになるほか、「Googleマップ」「Gmail」「Chrome」といったGoogleによるプリインストールアプリを使えるようになる。
アプリも追加できるようにもうこのままで十分……と思ったのだ、使い始めた当初は……。