「7ORDER LIVE TOUR 2021-2022『Date with.......』」東京・国立代々木競技場第一体育館公演の様子。(Photo by Yoshika Horita)
7ORDERのライブツアー「7ORDER LIVE TOUR 2021-2022『Date with.......』」が2月27日に東京・国立代々木競技場第一体育館で終幕した。この記事ではツアーファイナルの夜公演の模様をレポートする。【画像】安井謙太郎(Vo)(Photo by Yoshika Horita)(他13件)7ORDERが11月より全国12都市のホール会場とアリーナ会場を回り、計33公演を行ったこのツアー。「Date with.......」というタイトルは「デート」と「1日」の両方の意味を込めて付けられたもので、7ORDERのライブとしては初めてコンセプチュアルな内容のツアーとなった。開演時間になるとスクリーンに時計が映し出され、チクタクと時計の針が進んでいく。針が朝7時を示すと、メンバーが起きたり服を選んだりと朝の準備をするオープニング映像がスタートした。準備を終えて街に出て、7人はデートの待ち合わせ場所へ。映像が終了すると紗幕の向こうから力強いシンバルの音が鳴り、「雨が始まりの合図」で7ORDERの“1日”が開幕した。爽快なバンドサウンドとともに紗幕が上がっていき、安井謙太郎(Vo)が「代々木ー! ラスト楽しんでいくぞー!」と力いっぱいオーディエンスに呼びかける。ライブ序盤から気合いたっぷりの彼らの演奏に応えるように、代々木第一体育館には7色のペンライトの光が広がって一斉にキラキラと揺れた。阿部顕嵐(Vo)が「代々木ラスト、最高のデートにしてやるよ!」と言い放つと、諸星翔希(Sax, Vo)の高らかなサックスが歌うように響きわたり、「BOW!!」で会場は温かな空気で満たされていく。前回のツアーから披露されている「SUMMER様様」ではファンにもすっかり定着したオリジナルの振り付けで大盛り上がり。太陽が照りつくようなギラギラとしたサウンドの下、諸星と阿部が花道に出て力強いラップの掛け合いを繰り広げた。パンクロックナンバー「青空と爆弾」では安井がギターを手に取ってバンドアンサンブルに加わる。ツインギター、ベース、ドラムのみの構成となるこの曲では、諸星、長妻怜央(Key, Vo)、阿部が「靴を脱いで 砂浜を走り出す」という歌詞のごとく砂浜を駆け抜けるように花道をダッシュし、メンバーがかき鳴らす疾走感のあるサウンドを背に受けて子供のように無邪気にはしゃいだ。一度メンバーがステージをあとにすると、ここで萩谷慧悟(Dr, Vo)が店長を務める「Cafe7」がオープン。カフェには長妻、阿部、諸星の3人が来店し、告白のセリフを考えるというテーマでコントを始めた。諸星は「今日の試合、俺がゴールを決めたら付き合ってください!」と真摯に告白するも、長妻から「お前何言ってんだ、サッカーボールみたいな顔して」という言葉が。長妻の「今日の試合、誰かがスリーポイント決めたら俺と付き合ってくれ!」という告白には阿部が「お前が決めろよ!」とすかさずツッコミ。阿部は「今日の試合、俺がホームラン打ったら、跪いてニャーニャー言え」という言葉を放ち、「ニャーニャー」と擦り寄る長妻の頭をポンポンと撫でていた。告白と一緒にプレゼントを渡したほうがいいのではないかという話になり、3人が萩谷に助けを求めると、なんでもあっという間に真っ白になるという「7クリーナー」や自販機の下に落ちた小銭を取ることができる「ランダムトレーディングカード」を商材としたテレビショッピング風の映像が流れ、会場はますますカオスな空気に。最後に森田美勇人(B, Vo)が乱入したところでコントが終了すると、真田佑馬(G, Vo)とPESが共作したR&Bナンバー「Cafe latte」がスタートした。カフェを舞台にチルなサウンドやサックスソロに合わせてメンバーは軽やかに踊り、オーディエンスにクラップを求める。クラップの音に乗って彼らはステップを踏み、会場が一体となって音楽を楽しんだところで「蛍の光」が流れて安井のアナウンスとともにカフェは閉店した。花道から続くセンターステージにスポットライトが当たり、たった1人でその舞台に上がったのは森田。静寂の中、彼は観客の視線を一身に浴び、ステージの中央に椅子を置いて座った。柔らかなピアノサウンドが流れると同時に森田が踊り始めたのは「Rest of my life」。メインステージでは諸星がそっと歌い、そこに1人ひとりメンバーが加わって歌を紡いだ。森田は6人の美しいハーモニーをバックに楽曲を演じるように緩急をつけながらしなやかに踊り、後半に向けてそのダンスは感情を解き放つようにダイナミックになっていく。2つのステージを使った7ORDERの新たな歌とダンスの表現に観客は息を呑んで見入り、最後に森田が再び椅子に座ってパフォーマンスを終えると盛大な拍手を贈った。その後会場が暗転するとメインステージの左側に安井が登場し、ラブバラードソング「もしも」を優しく言葉をつぶやくように歌い始める。ステージの右側には萩谷が現れ、清廉な歌声を場内に響かせた。ほかのメンバーもセンターステージにゆっくりと上がっていき、2人のあとにゆったりと歌を続けると、萩谷と安井も花道を歩いてセンターステージのメンバーと合流。7人はそれぞれ花束を持ってオーディエンスのほうを向く形で円になり、まっすぐに前を見つめながら、目の前の“あなた”を愛する思いを歌い上げた。「もしも」が終わると四つ打ちのビートが鳴り響き、「Feel So Good」がスタート。7人が花道やステージで楽しげに肩を組んだり飛び跳ねたりする様子を1台のカメラが追っていき、スクリーンに弾けるようなメンバーの笑顔が映し出された。「地平線の向こうに見える光を見に行こうか」という安井の歌を合図に7人は花道を一斉に行進。開放的な雰囲気の中、会場には親指を立てるグッドサインを取り入れたキャッチーなダンスが広がった。MCではツアーの思い出話になり、安井と阿部の“北海道乗り遅れ事件”に焦点が当てられる。北海道公演の前夜、安井と阿部が別仕事を終えて飛行機に乗って北海道に向かうつもりが、空港で荷物まで飛行機に乗せたのにも関わらず、肝心の自分たちが乗り遅れて当日入りになってしまったという。「何してたの?」とメンバーに尋ねられた安井は「うなぎを食べてました……」と告白。メンバーから一斉にツッコミが入る中、萩谷が「顕嵐はわかるけど、ヤスがそうなっちゃうの珍しくない?」と不思議そうに話すと、長妻から「顕嵐といるからそうなっちゃうんだよ」と鋭い指摘が入る場面もあった。このツアーで初めて7ORDERのペンライトが販売されたということもあり、その後はペンライトのライトを使ってオーディエンスからアンケートを取るコーナーも。「ツアーの初日とラスト、どちらが好きですか?」という阿部の質問にはラスト派が多数。長妻もアンケートを取ろうとし、「さっきホテルの話になったじゃないですか」と話を切り出すも、この日のMCではそもそもホテルの話をしていないため、メンバーは「したっけ……?」「してないよ」と戸惑い始める。長妻は「俺の頭の中ではしてた気がするんだけどな」と首を傾げ、「ホテルの話はまた次にしたいなと思います」とひょうひょうとした様子で先延ばしにして一体どんなアンケートを取るつもりだったのか謎を残した。「そんな話をしてる間にあっという間に日が暮れてきましたね。では、ここからは夜の7ORDERをお楽しみください」という安井の言葉を経て、場内に鐘の音が鳴り響き、萩谷がマスターを務める「Bar7」が開店。萩谷、真田、諸星がベルやボトルを使いながらエレガントなパフォーマンスを繰り広げ、最後は組体操で扇のポーズを決めてみせた。ほかのメンバーも加わってダンスで会場を盛り上げたあと、スクリーンに浮かび上がったのは「Date with Leo & Alan」の文字。そしてビビッドなピンクのライトに染まったステージに阿部と長妻が現れ、「カシス」を歌い始める。阿部の熱をはらんだ歌声と長妻の色気のある歌声が交互に響きわたり、ほかのメンバーも年少2人の艶やかな表現をダンスで彩った。さらに7人は「Make it true」「Perfect」「&Y」「What you got」「Break it」をダンスミックスメドレーで続けて披露。このツアーならではのアレンジで7人がパワフルな踊りを見せると、会場の熱気もさらに高まっていった。7人がステージを去ると、翼の生えたモンスターが躍動するCG映像がスタートした。モンスターは代々木国立競技場に焦点を当てて「7」の文字が刻まれた胸元から勢いよくビームを発射。さらに、破壊した会場の屋根から場内をのぞき込み、続けて目からビームを放った。ビームの先のセンターステージにスモークが吹き上がり、その中から7ORDERのメンバーが姿を現す。赤いライトに染まったステージで彼らが踊り始めたのは「MONSTER」。7人はギラついた瞳で迫力のあるフォーメーションダンスを繰り広げ、メインステージでは熱い炎が吹き上がり続けた。その後メンバーはメインステージへと移動し、それぞれの楽器の定位置にスタンバイ。ステージは青いライトに染まり、一転して会場には幻想的な雰囲気が広がった。安井は「皆さん、今日は大切な時間を使ってこの時間に来てくれて本当にありがとうございます。いろんなことが難しい世の中になって、エンタテインメントが必要なのかということがいろんなところで話されて、いろいろ考えることもあったんですけど、やっぱりこうやってエンタテインメントが存在していられる理由というのは観に来てくれるみんななんですよね」と真摯に話す。そして「最後まで走れたのは観に来てくれるみんなだし、あなたが観に来てくれるから僕たちはこうやってステージに立てます。しかもこんな大きな会場で。代々木でこの7人の音が鳴るということが僕たちにとってはすごく大きいことでした」と思いを噛み締めるように頷き、「それを叶えてくれるのはいつもあなたです。そしてメンバーです。本当に僕たち7人が突き進むことがきっと誰かの背中をちょっぴりを押せたり、誰かの少しの勇気になったりすることを信じて、これからも僕たちは7人で突っ走っていきます。これからも応援よろしくお願いします」と深々と頭を下げた。安井が「そんな話をしていると夜も更けてきて、星空が見える時間になりましたね」と会場を見渡すと、場内には白いペンライトの光で作られた満天の星空が広がる。安井は「こうやってみんなが心を1つにして灯してくれる真っ白な世界も、7色の虹色の世界も、真っ暗でみんなが手を挙げたり真剣な目で見てくれるその姿も、あなたのその1つひとつがいつも僕たちの勇気になっています。みんなからもらった勇気を使ってこのステージでこれからも歌わせてください」と語った。「それではみんなが作ってくれた景色の中で、僕たちの大切な曲を歌わせてください」という安井の言葉に続いて、演奏されたのは7ORDERのメンバー全員で作詞したナンバー「夢想人」。1人ひとりの思いが乗った剥き出しの歌声が場内に広がり、ロマンを感じさせるギターフレーズやサックスソロを経て、最後には壮大なサウンドと力強くまっすぐな歌声が彼らの生き様を刻むようにずっしりと響きわたった。「夢想人」の演奏の余韻が残る中、心を駆り立てるようなみずみずしいギターサウンドでスタートしたのは最新アルバム「Re:ally?」のリードトラック「agitate」。どこまでも続くような美しい空をバックに彼らはスケール感のあるバンドサウンドを放ち、衝動的な思いを解き放つように歌った。ラストナンバーは7ORDERにとって始まりの歌であり、これまでライブのたびにアレンジによって変貌を遂げてきた「LIFE」。このツアーではオーディエンスのクラップによるリズムをベースとしたアレンジに。観客と一緒にこの曲の演奏を作り上げ、アウトロでは諸星と長妻が向き合い、サックスと鍵盤で掛け合うようにエモーショナルなソロパートを奏でた。2人のソロを中心にメンバーは豊かなアンサンブルを紡ぎ、最後には萩谷のドラムを囲むように7人が集結。磨きのかかった「LIFE」のアレンジを通して7ORDERの止まることのない進化を見せ、安井の「飛べ!」という咆哮を合図に7人全員でジャンプして彼らはライブを終えた。アンコールを求める拍手がしばらく続くと、スクリーンには3月25日に公開される阿部の主演映画「ツーアウトフルベース」の予告映像が流れた。映像が終わると阿部がギターを携えてステージに立ち、7ORDERが担当する映画主題歌「レスポール」を歌い始める。阿部の力強い歌とギターに始まり、メンバーの演奏も加わっていき、ストレートなロックサウンドが打ち鳴らされた。このツアーのアンコールでは、7ORDERが提案する2曲のうちペンライトによる多数決で楽曲を選択するという試みが行われており、ファイナル公演の候補曲は「BOW!!」と「What you got」。多数決の結果「What you got」が選ばれ、メンバーは高らかにこの曲を歌い上げた。最後にはメンバーが1人ずつ挨拶することになり、森田は「ここまで無事に来れました。実際本当にダメなんじゃないかと思う瞬間もたくさんありながら、一丸となってここに集まってエネルギーを共有することができて本当にうれしかったです! またぜひ観に来てください。今日はありがとうございました!」と晴れやかに語る。萩谷は「代々木第一体育館といういろんな思い出がある場所にこうやって帰ってくることができて。ツアーが始まって3カ月経ちましたけど、ここでファイナルが迎えられたこと、そしてここまで走って無事に乗り切れたこと、そしてその間で皆さんと楽しいことをたくさん作れたのが本当に心の底からうれしかったです」としみじみと述べ、諸星は「やばい、ツアー終わっちゃうのが正直寂しいです! 僕たち7ORDERメンバー含め、スタッフさん、観に来てくれたお客さん、みんなで作ったツアーです。まじでありがとう! ここまで走らせてくれて。でも、もっとツアーやりたい! またやらせてください! みんなが来てくれればやれると思うから!」と名残惜しんだ。阿部は「こうやってステージに立ってみんなに必要とされてると感じると生きてるなって心の底から思います。みんなが必要としてくれてるけど、俺もあなたを必要としてるから。いつもそばにいてくれてありがとうございます」と会場を見渡す。長妻は「あっという間だなっていうのを感じますね。初日からずっとやらせていただいてるんですけど、最後の感じがしないのは皆さんの笑顔のおかげだなって改めて思いますね」と元気いっぱいに話し始めるも、「スタッフさんとかも疲れてるだろうにすごい笑顔で挨拶してくれるんですよ……疲れてるのにね……皆さんも朝早かったりするのに……」とどんどん涙声になっていく。そして「皆さんのおかげだなと。僕はアーティストさんのライブを観させていただくことが最近多いんですけど、そこになんでもない自分が立たせていただいているのは皆さんのおかげだなと思います。これからも笑顔を大切にやっていきたいなと思います!」と泣き笑いで語った。真田は「本当にみんなのことが大好きです! それは今観に来てくれてるみんなもそうだし、スタッフさんもそうだし、メンバーもそうだし、こんなにみんなのことが大好きなことってあるのだろうかって思うくらい大好きです。それはきっとみんなのおかげだと思ってます」とまっすぐに愛を語り、「この会場でこのマイクを持って歌えてることが本当に幸せです。ちっちゃい頃の自分に言い聞かせてあげたいなと思います。皆さん、ここまで連れて来てくれて本当にありがとうございました! そしてこれからも笑顔でいろんな景色を見ていきましょう」と喜びいっぱいに述べた。安井は「ここまで完走できたことが、本当に感謝でしかないです。来てくれた皆さん、来ないという選択をしてくれた皆さん、そして今見えてる以外にもすっごい数のスタッフさんが僕ら7人のために動いてくれています。すごいことだなと改めて思います。すべての人に感謝です。ありがとうございます」と感謝の思いを伝え、「これでツアーは終わりますが、次また会えるときまでいろんなことがあると思うけど、みんなどうか心も体も元気で、笑顔でいてください。また必ず会いましょう!」と再会を誓った。7人がステージを去ったあとも、代々木体育館には彼らへの思いのこもった大きな拍手が鳴りやまない。その思いに呼ばれてメンバーはステージに再び登場。彼らはこの日のデートの最後に「Lonely night」をファンに贈り、センターステージで軽やかにステップを踏んだ。パフォーマンスを終えて7ORDERが改めて挨拶しようとすると「Date with 7」という文字がスクリーンに映し出される。メンバーも聞いていない演出ということで、「これは俺ら知らないな」「なんだー?」という声が上がる中、「Feel So Good」の音源をバックに映像がスタート。それはスタッフから7ORDERへの、ツアーの思い出がたっぷりと詰まったサプライズムービーだった。愛あるサプライズに「うれしい!」「やられてしまったな、これは」「すごく感動しました、ありがとうございます」とメンバーは感激。彼らは3カ月間のツアーを懐かしみながらも、名残惜しそうにメインステージへと移動した。安井が「みんな声は出せないけど、心の中で言ってくれ。頼む」とオーディエンスに呼びかけ、締めの言葉へ。7人は手をつないでメインステージに横一列に並んだ。「みんな本当に33公演、走り切らせてくれてありがとう。そしてこれからもよろしくお願いします」という言葉を経て、安井の「俺たちと、みんなで! せーの! 7ORDER!」という力いっぱいの叫びが代々木第一体育館に響きわたる。そこにはオーディエンスの万感の拍手を浴びながら、充実した晴れやかな笑顔でつないだ手を高く上げる7人の姿があった。■ 7ORDER「7ORDER LIVE TOUR 2021-2022『Date with.......』After Talk」2022年2月27日 国立代々木競技場第一体育館 セットリスト 夜公演01. 雨が始まりの合図02. BOW!!03. SUMMER様様04. 青空と爆弾05. Cafe latte06. Rest of my life07. もしも08. Feel So Good09. カシス10. Make it true~Perfect~&Y~What you got~Break it11. MONSTER12. 夢想人13. agitate14. LIFE<アンコール>15. レスポール16. What you got<ダブルアンコール>17. Lonely night